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紅茶好きの管理人が読んだ読書の記録のためのブログ。ネタバレありですのでご注意ください。
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マユリ
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女性
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Since2010.11.26
総読書感想数 430

読書と音楽とゲームとおいしいものと人形をこよなく愛する多趣味な人間です。
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(2014年読書感想2冊目)

原題 Knights of The Silver Dragon1 Secret of the Spiritkeeper
マット・フォーベック 著 安田均監訳 柘植めぐみ 訳 池田宗隆 画

おすすめ度★★★★★ (おもしろかった! D&Dらしい冒険小説。)


「さあ」ケラックは二人をふり返った。
「いよいよゼンドリックを助けるときが来た」(p272)


ファンタジーTRPGの元祖ともいうべき、D&D(ダンジョンズ&ドラゴンズ)をもとにした冒険小説。D&Dは様々な世界が派生されていますが、その中でもグレイホークという世界観の中で繰り広げられる物語です。

母親を亡くしたケラックとドリスコルの兄弟、父が罪人である少女モイラは、ケラックの師匠である魔法使いゼンドリックを助けるために、恐るべき地下遺跡へと冒険を余儀なくされます。

とにかく面白くて一気読みしました! D&Dは大好きだし、その中でもグレイホークは一番思い入れのある世界観です。聖カスバートのカッジェル(棍棒)という単語が出てくるたびに、燃えるものがありました。
物語も登場人物も王道ですが、とにかく面白いです。
文字も大きくて振り仮名も沢山の親切設計。子供たちがこういう本を読んでわくわくしてほしいなあと思える本です。
なにより、D&D小説らしい独特の泥臭さがあるのがいいです! この雰囲気がすごくよく出ているので、とっても面白かったです。

聡明で度胸のあるケラック、ちょっと怖がりだけど心優しいドリスコル、しっかり者のモイラ、この三人の子供たちが力をあわせて、様々な困難に立ち向かっていく様に、読む手が止まりません。非常に読みやすかったです。

私はケラックが好き! とにかく頭が良くて、落ち着いていて格好いい! ドリスコルも憎めないキャラクターだし、モイラはなかなか肝が据わっていて格好いいです。

RPG小説が好きな私は、すっかり本シリーズの虜です。本国では20冊近い本が出てるとのことですが、日本では三冊のみしか翻訳されていない様なのが残念。
王道だけど面白くて、夢中になってすぐ読めました。ケラックがまじめ腐った顔して方向音痴というギャップがちょっとほほえましく、一番印象に残ったシーンでした。
しかしゼンドリックって、そういう地名がエベロンの世界にもあったような……。単なる偶然かな??

とにかく、翻訳されている残り二冊を、じっくりと楽しんで読みたいです。
ゲームをやっているような感覚で読めるので、ゲームが好きな方にお勧めの一冊。
本の造りもなかなか読みやすくて好みでした。

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Arknoah 1 僕のつくった怪物
Arknoah 1 僕のつくった怪物
  • 発売元: 集英社
  • 発売日: 2013/07/05





(2014年読書感想1冊目)

乙一 著 toi8 イラスト

おすすめ度★★★☆☆ (3・5くらい。王道でありながら癖のあるファンタジー。)


「パパがそうのぞむのなら」
泣いている僕の後ろから声が聞こえてくる。
「ぼくは世界だってこわしてあげる」(p38)



独特なミステリ小説を描いてきた乙一さんの、(多分)初のファンタジー小説。
学校でいじめられていたアールとグレイのアシュヴィ兄弟は、ある日父の遺品である絵本、アークノアを見つけてしまう。そうして、絵本の中の世界に流れ着いてしまった!
元の世界に帰るには、自らの破壊衝動が形となった、怪物を殺さなければいけなくて……。

というお話かな。

冒頭ははてしない物語をなんとなく思い起こさせたり、本の中の世界に流れ着いてしまったりと、お決まりの展開が続き、「違う、乙一さんはこんな普通のお話書かない!」と思っていたら、やっぱり普通とは違う物語でした。
アークノアの世界観が、緻密で、ちょっと恐ろしくて、素敵です。
特に住民たちが自らの創造主のことを意識し、その眼をいつも気にしているというのと、死んでも翌日には生き返る(死は通過点)という設定は、非常に乙一さんらしいひねり方をしているし、ちょっとダークな世界観は非常に好みでした。
途中中だるみしているなと思うところもあったけど、アールの造った怪物の正体がわかったあたりから、一気に読んでしまいました。
面白かったです。

しかし今回の最後でグレイは無事元の世界に戻れたけど、もう出てこないのかな? とか、新しく来た異邦人はどんな子なのか? とか、創造主はどんな人間なのか? とか、アールはもとの世界に戻れるのかな? とか、続きが気になる終わり方でした。
次巻は世界も広がりそうな要素が沢山ありますね。

また、登場人物の名前がほぼ全員紅茶にちなんだ名前というのも面白かったです。紅茶好きにはたまらなくて、元ネタを検索してみるのもいいかも、なんて思ってしまいました。

私はキャラクターで言うとルフナが好きです。ルフナもまた出てきてくれそうなので、続刊が楽しみ。toi8さんのイラストも素敵でした。
結構ページ数多いですが、読みだすと面白いと思います。
ファンタジー好きや乙一さん好きな方はぜひ。
続きも楽しみに待っていたいと思います。

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竜の王女シマー (ハリネズミの本箱)
竜の王女シマー (ハリネズミの本箱)
  • 発売元: 早川書房
  • 発売日: 2003/04/15





(2013年読書感想80冊目)

原題 Dragon of the Lost Sea
ローレンス・イェップ 著 三辺律子 訳 増田幹生 挿絵

おすすめ度★★★☆☆ (3・5くらい。なかなか良質なファンタジーです。)


「でも、猛獣使いとたたかったときだって、塩におおわれた海底に落ちたときだって、勝ち目はあったかい?」ソーンは一歩もゆずらずに言った。「自分だけはかしこいと思ってるんなら、大まちがいだ」(p153)


中国系アメリカ人の作家、ローレンス・イェップの四部作、竜の王女シマ―の第一作目。
といっても日本では、このシリーズの刊行はこの1冊のみとなっていて、ちょっと残念です。なかなか良質なファンタジー小説なんだけどなあ。
ある日、宿屋の下働きの少年ソーンは、人間に身をやつしていた竜の王女シマ―を助けます。
シマ―は故郷の海を取り戻すため、魔女であるシベットを追っていたところ。
ソーンはシマ―に同行することを申し出ますが、二人は道中、喧嘩ばかりしていて……??

というようなお話かな。

面白かったです。短さの割に描写が丁寧で、読みごたえがありました。
また、シマ―の誇り高さと、ソーンの忠義っぷりがよかったです。
この二人が、喧嘩しながら徐々に友情を深めあっていく様が、ユーモアと感動を覚えることができ、とってもいいです。

振り仮名も多い新設設計なので、小学校中学年くらいから読めると思います。こういう本が、子供のファンタジー好きの萌芽になっていくといいなあと思える良書です。
だから本当に惜しいのは、続編の刊行が止まっていることですね。
ユニコーンに触れられたソーンの秘密、あるいは出生など、明かされていないことが多くてすごく気になってしまいます。
アメリカでは一応完結済みらしいですが、自分で原書買ってまで読みたいとは思えず……。いい本なんですけどね。

しかし、ハヤカワが児童向けのファンタジーを刊行していたとは知りませんでした。これから、ちょっと読んでみようかな?
ドラゴンのシマ―が誇り高くかわいいので、ドラゴン好きの方、東洋系ファンタジーが好きな方におすすめです。

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煌夜祭 (中公文庫)
煌夜祭 (中公文庫)
  • 発売元: 中央公論新社
  • 発売日: 2013/05/23





(2013年読書感想79冊目)

多崎礼 著 

おすすめ度★★★★★ (おもしろかった! 冬至の日に再読したいです。)


さあ、煌夜祭をはじめよう。(p290)


良質なファンタジー小説を書かれると聞いた国内の作家さん、多崎礼さんのデビュー作の文庫版。
この文庫には書下ろし短編、「遍歴」が同時収録されています。
冬至の日に合わせて読もうと思ったら、それがかなわず、読み始めたのはクリスマスイブ。
でも、読み終わったらやっぱり冬至の日に読みたかったなあと思いました。

冬至の日に語り部が集まって互いの知っている話を語って聞かせる煌夜祭。
魔物を追い払うという伝承があるこの祭りはなぜ始まり、何の意味があるのか?
これは美しく、そして切ない魔物と語り部の物語です。
トーテンコフとナイティンゲイルという二人の語り部が、様々な魔物に関する物語を語るという構成で物語は進み、それぞれの話が一つにつながっていく様は圧巻でした。
アラビアン・ナイトみたいな話の構成と思ってもらえればいいのかな?

とにかく面白く、一気に読んでしまいました。美しく、切ない話。魔物という存在を、ここまでいとおしい目線で語った小説にはなかなかであったことはありませんでした。最後のほうでは思わず涙腺が緩んだりして……。
これから読む方は、短編も収録されている文庫版がおすすめ。切ないけれど温かい気持ちになれます。

複雑に絡み合った登場人物や物語は、ファンタジーを読み慣れていても理解するのに時間がかかりましたが、最後の感動は本当に素晴らしい。
章立ても短めなので、読みやすくすらすらと行けます。
何よりも本当に、暗い冬の夜に読みたい、情緒のあるお話です。
多崎さんはほかにも沢山の本を書いていますが、どれも評判がいいようなので、これからまた著者のほかの本も読んでみたいなと思いました。年末にこんな本に会えたことを感謝したい、とっても素敵な1冊でした。おすすめです。冬至の日にまた再読したいなって思っています。

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神の名はボブ
神の名はボブ
  • 発売元: 東京創元社
  • 発売日: 2013/11/20





(2013年読書感想78冊目)

メグ・ローゾフ 著  今泉敦子 訳 ワカマツカオリ 表紙絵

おすすめ度★★★★☆ (とにかく訳が秀逸! 面白かったです。)


「あなたはくずよ。なんの価値もない、くずそのものよ」(p212)


もしもこの地球の神が、わがままで怠け者で、自分勝手で、女の子とHすることしか考えていないティーンエージャーの男の子だったら!? もしその神様が、女の子に恋をしたら!?
この本、「神の名はボブ」は、まさしくそういうお話です。
地球に生活していて、理不尽なことばかり起こるこの世界の状況を、作者のメグ・ローゾフはこのような発想で説明づけています。

この本、おもしろかったです! 何よりも本当に訳が秀逸。邦訳ものにありがちなちょっと硬い訳ではなく、本当に今どきのティーンエージャーが使うような言葉で翻訳されているので、違和感なく読むことができます。

この世の神、ボブは本当にどうしようもない奴だけど、ある意味ですごく純粋で、憎めないのですよね。
何より、表紙絵のボブとルーシー、かわいすぎませんか!? もうこの表紙だけで、この本は素敵だなと思いますが、訳や読みやすい短い章立てなど、本当にYA世代の子に対して、親切な設定の良書になっていると思います。
ミスターBみたいな苦労性の真面目なキャラは人気ありそうだけど、私は断然ボブが好きだなあ。本当にすごくティーンらしいと思います。
それにしてもルーシーはちょっとかわいそうだったかも。ルークとうまくいってくれますように。
文章もきれいな印象で、とにかく本当によくできた本という印象でした。

そしてタイトル。原題のThere is No Dogというのは、犬がいないのではなく、逆から読んで神はいない、が正しいのですね。
宗教や戦争などの難しい問題に取り組み、なかなか奥の深い一冊でもあります。
面白かったです。ところどころくすっと笑える感じでした。
こういう本をYA世代にもっと読んでほしいな。

この本、ファンタジー小説に分類していいのか悩みましたが、たぶんアーバン・ファンタジーってやつだと思います。

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