(2014年読書感想10冊目)
山本瑤 著 起家一子 イラスト
おすすめ度★★★★☆(4・5くらい。面白かった! 続刊に期待大です!)
「君の目の前で全裸になろうか?」
ケイトリンは束の間考え、頷いた。
「じゃ、なってくれる?」(p122)
初読みの作家さんです。
最近コバルト文庫はおもしろい本が多いし、大好きな「妖精」というキーワードの入った少女小説だし、好きなイラストレーターさんの表紙が美しいし、とにかく手に取ってしまった作品です。こんな好みの本、読まないわけにはいかないわ!
結果、とってもかわいらしい小説で、面白かったです! お勧めです。
なによりも馬を愛する自由奔放な娘、ケイトリン。彼女のもとにやってきて、婚約してほしいと頼む、不機嫌な第二王子のエリス。
自由奔放なケイトリンに振り回されるエリスがとにかくかわいくて……! 何だろう、しゃべり方? が冷たい感じだけど端々がすごくかわいくて、反応もかわいくて、極め付け、エリスは●●●になっちゃうし! それがもうツボでたまりませんでした。
本裏のあらすじに、もふもふと書いてあったのですが、確かにもふもふでした。
とにかくエリスがかわいい! ヒーローをこんなにかわいいと思った少女小説は、久しぶりかも。
ケイトリンとエリスが心の距離を縮めていく様子などもかわいらしく、特に一緒に眠るシーンと、上記に抜粋したやり取りのシーンが好きです!
ケイトリンもエリスも、とにかく表紙からして美しくてかわいくて、そんな二人が織り成すちょっとずれたやり取りに、終始微笑ましい気持ちが大きくなるばかりでした。
エリスみたいな王子様には、ケイトリンみたいな女の子が必要だよなー、と思うので、最後の最後の展開にはしてやられました! ケイトリンらしいというか! とにかく続刊が気になるので、待ち遠しいです。
誤字がちょっと多かったこと、架空世界の設定のわりには、シェイクスピアの創作であるオベロンの名前が出てくることなどが、妖精好きとしてはちょっと気になりましたが、このお話はすごくしっかりした妖精ファンタジーだと思います。
例えるならアイルランド的な土地の、妖精の住んでいる土地の匂いが、文章から漂ってきて、すごく心地よいです。
あとは、梟のクローディアス君に、もうちょっと活躍してほしかったかな? でも、想像していたよりもずっと嫌な感じの性格だったので、続刊でクローディアスがどんな役割を担うことになるのか期待したいと思います。
いい意味でどんでん返し的な展開もあり、かわいらしいロマンスにときめいたり、とにかく夢中で読んでしまいました。
ただ残念なのは、起家一子さんの挿絵がもっと見たかったことと、どうにも前後編で終わりそうな気配のあるところですね。
でも、来月には続刊の刊行が予定されてるようなので、楽しみに待って、読みたいと思います。
とにかくエリスがツボでツボで! こういうカップル、好きです!
お勧めの一冊なので、気になっている方は是非読んでみてくださいね。
[0回]