(2013年感想41冊目)
青木祐子 著 あき 絵
おすすめ度★★★★★(面白かった! これからの期待を込めて、★5つです。)
シャーロックがクリスを見る。ふたりの目があった。シャーロックもふと笑った。
そしてそのとき、ふたりはまったく同じことを思ったのだった。
目の前のこの人は、なんと美しい人なのだろうかーーと。(p225)読書メーターのお気に入りさんのお気に入りのシリーズということで、前々から気になっていたシリーズを読書です。
ロンドン郊外にある仕立屋、「薔薇色」は着る人の恋を叶えるという不思議なドレスを作るお店。
ある日、ハクニール公爵家の子息シャーロックが、足の不自由な妹のためにドレスを仕立てて欲しいと頼みにやってきて……??
ああ、これはこの先が楽しみな一冊です! 長いシリーズの最初の1冊なのですが、身分違いの二人の恋に既にドキドキとしてしまいます。
ドレスや、ちょっとだけ出てくる食べ物の描写も綺麗です。青木先生は、優しい、美しい文体を書かれますね。
何より、クリスもシャーリーもパメラも、フローレンスもアンディも、多彩な登場人物がみんな素敵で、特に最初の三人は、これからを応援したくなってしまう魅力に溢れています。
なんというか、どの登場人物も行く末が気になるし、応援したくなってしまいます。
クリスは地味な女の子かもしれないけど、もう本当に可愛くてかわいくて…!
シャーロックは、実はいい人みたいな感じで、とっても好感が持てます。
ちょっと構成がイマイチかな?(盛り上がりに欠ける)とも思うのですが、最後の最後、二人の恋が始まった一文を見て全て持ってかれました。
関係ないですが、ヴィクトリア朝でシャーロックというとホームズを思い出すわたし。シャーロックという名前はこの時代ではとても珍しい名前なのだそうです。でも、いい名前ですよね。
クリスティンはキリスト教徒を意味する名前で、パメラは「蜜のように甘い」だったかな?
なんだか久しぶりに、名前マニアの血が騒いだ、そんな本でした。
この1冊だけで多くの登場人物が出てくるシリーズですが、本当、まだ見ぬ皆様も含め、みんなに幸せになって欲しいシリーズです。
ドレスは着る人の心を映す。いい言葉ですね。
闇のドレスという言葉にも惹かれました。クリスの付けるドレスの名前たちも素敵です。
本当、衣装はその着る人の心を映すように思います。
クリスもシャーリーもパメラも、恋を知りこれからさらにどんどん綺麗になっていくといいなー。
文章も読みやすかったですし、フローレンスは可愛かったし、何気にアイリスは好みだし、これからが楽しみなシリーズです。読んでよかった! と思えるシリーズ。
このままコバルトのヴィクトリア朝のものにはまっていきそうな最近です。
長いシリーズなので手を出しにくいかもしれませんが、女の子らしい、まさしく少女小説な1冊。お勧めです。
昨年完結したらしいので、一気に読みたいと思います!
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