(2014年読書感想11冊目)
原題
Knights of The Silver Dragon2 Riddle in Stoneリー・ソーズビー 著 安田均 監訳 柘植めぐみ 訳 池田宗隆 画
おすすめ度★★★★☆(やっぱりこのシリーズは面白いです!)
「剣がもらえるよう祈ってるよ。父さんがもっと気のきいた人なら、盾をくれるかもしれないな。自分で自分をけがさせるような鋭い刃物じゃなくて」(p10)米国で大人気のファンタジー小説、RPGのD&D、グレイホークの世界観をベースとした
銀竜の騎士団」の第2冊目。
このシリーズは多数の作家さんが、それぞれに分担して書いていく話のようです。それぞれの作家さんの持ち味が出て、何重にも楽しめていいですね。
呪われた町、カーストン。街を護るための「銀竜の騎士団」となったケラックとモイラとドリスコルの三人。
カーストンの街はその日、過去の平和だった時代の栄光を思い出すための祭り、「プロミスの祭り」でにぎわっていた。しかし、衛兵たちの様子がおかしい。街は水面下で、何やら事件が起こっているようだ……、
という話かな。
過去の平和だった時代の栄光を思い起こす祭り……! 何というかなんていう後ろ向きな祭りなんだ! と思ってしまいました。でも、師匠から弟子に対して贈り物があるというのはとてもいい風習ですね。
そしてカーストンって、その名もずばりカース(呪い)っていう意味なんだ、とあとがきを読んで気づきました。
今回もとっても面白い小説でした! でも、大好きなグレイホークらしさがあまり感じられなかったのが残念。呪文の名前にD&Dらしさを感じる程度かな?
今回はドラゴンにメドゥーサに、何というかカーストンはいろいろな種族が沢山来るな! みたいな楽しみを満喫できました。RPGがもとになってるからか、すごくゲーム的な感覚で本が読めるので、ツボに入る人なら時間を忘れて読書できる本だと思います。
今回新しくケラックの使い魔になった、機械仕掛けのドラゴン、ロッキンヴァ―。ドラゴンが使い魔なんてなんて羨ましいんだろう! と思ってしまいました。ロッキー、好きです。
それにしてもこのシリーズは、ミステリアスファンタジー? っていうのかな? 毎回物語がミステリ風味になっていて、本当にドキドキします。
今回は、ドリスコルが格好良かったな。ちょっと臆病だけど、勇気を持っていて、ここぞというときに頼りになるなんて! もちろん、ケラックも魅力的だし、モイラはかわいいです。
そのうち兄弟のどちらかがモイラと恋仲になったりするのかな? そんな展開を見届けられない(翻訳があと1冊しか出ていない)というのが悲しいです。すごく面白い本だと思うのですが。
とにかく読みやすくて、ドキドキして、さらりと読める本です。この本を読むと、RPGをやりたくなるな。
翻訳が出ている分の後一冊も、楽しみに読みたいと思います。翻訳文読み終わったら、自分で続きの原書を購入して、読んでもいいのですけどね。
とにかく、すっかり夢中なシリーズです。
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