(2013年感想39冊目)
原題 The Flight of the Phoenix: Nathaniel Fludd, Beastologist, Book 1
R・L・ラフィーバース 著 ケリー・マーフィ 絵 千葉茂樹 訳
おすすめ度★★★★☆(装幀、装画も好みです。子供向きですが、夢があってなかなか◎)
「フラッド家の磁石よ」フィルおばさんが説明する。「正式な訓練をするときがきたようね。おくれをとりものすのはたいへんよ」(p186)地元の図書館で、気になって手にとった1冊です。ナサニエルって名前が好きなんですよね。
時は第一次世界大戦後。10歳の少年、ナサニエル・フラッドは、飛行機の墜落事故で両親を失い、父親の従姉であるフィルのもとで暮らすことになった。そうして、フラッド家が代々冒険家の一族であり、幻獣学者であることを知ります。
二人はアラビアに、500年に一度のフェニックスの誕生を見に行くことになりますが……。
といったようなお話かな。
子供向きのファンタジー・ノベルですが、装画、装幀も非常に好感が持てた一冊です。本文にたくさん挿絵が入っているのもいいですね。
ナサニエルと聞くと、「バーティミアス」の主人公を思い出すわたしですが、こちらのナサニエルは、絵描く事が好きな、孤独で内気な少年。とても冒険家には向きそうにありません。
しかし、そんなナサニエルだからこそ、その生い立ちや状況を応援したくなるし、成長を楽しむことができた一冊でした。面白かったです。
フィルおばさんも、ナサニエルを見守りつつ、その成長を促すような育て方をしていて素敵。
しかし、幻獣ってロマンがありますよね。原題にもなったフェニックスの飛翔のシーンは、すごく綺麗なシーンで、この本のお気に入りです。わたしもフェニックスにであってみたいものですと、そんな気分にさせてくれる一冊です。
何やらきな臭い敵対勢力(?)の存在も匂わされていて、次の巻も楽しみな一冊。
子供向きの本ですが、大人でも十分に楽しめます。
なんといっても、グレムリンのグリーズルやドードー鳥のコーネリアスがいい味出してました。幻獣って本当にいいなあ。
装幀、タイトルが気になる方は、読んでもいいと思います。わたしは、次も読んでみたいなあと思いました。
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