(2012年感想106冊目)
藤原祐 著 kaya8 イラスト
おすすめ度★★★★☆(まさに最初からクライマックスな怒涛の展開です)
「大丈夫よ。私は怖くなんかないわ。だってフォグがいるもの」
他ならない自分が傍にいて、手を握っているからーー
「フォグもよ。恐がる必要なんてないわ。だって私がいるもの」(p44)「煉獄姫」の第五幕。次で最終巻の予定らしいので、正しくクライマックスという内容になっています。
王都に煉禁術で作られた幻獣が跋扈し、それぞれのキャラクターたちの前に立ちはだかります。そうしてその間、すべての首謀者のユヴィオールは、着々と計画を遂行していき・・・。というようなお話です。
作者様、登場人物それぞれに、ここまで追い討ちをかけますか! といったようなキャラクターの追い詰め方で、登場人物たちはほぼ最大のピンチを迎えています。いやー、いっそ清々しいくらい。
これ、フォグたちに勝ち目はあるのでしょうか・・・。今ではユヴィオールの計画が完璧すぎて、勝ち目なんて見えてこないというくらいで、空恐ろしいです。ユヴィオールの計画も完璧すぎて、崩れだしたら脆そうなので心配です・・・。
明らかにされたローレンの雛の四人目は、お前か! という感じで驚きでした。でもその四人目も明らかになった瞬間あっけなく殺されてしまうので、なんだかクライマックスに向けてお掃除が始まってるのね・・・。と残念な印象も拭えませんでした。
残念といえば二巻からずっと再登場を待ち望んでいたイーサ嬢も、再登場してすぐに、醜態を晒して退場してしまったのはちょっと残念でした。いや、イーサは素敵でしたが。
トリエラも、最後に人間らしさを取り戻したとはいえ、悲しいなあ・・・。
なんというか風呂敷のたたみ方と同時に広げ方が凄まじくて、一体最終巻はどこに着地するのか予想があまりつかないところです。
初めて読んだ藤原作品で、すっかりはまってしまっているので、できれば納得のいく終わり方をして欲しいところです。
しかし、気になる伏線もたくさん撒かれていて、どうなるのか楽しみです。個人的には主役側にもユヴィオール側にも頑張って欲しいところ。あと、ユヴィオールに捨てられたニーナにも、何か一矢報いて欲しいですね。
個人的には、キリエの可愛らしさと、老執事の格好良さとにしびれた巻ではありました。
本当、最後は一体どうなるというのでしょう。今まで最初の1冊以外は図書館でしたが、最終巻は購入して読もうと思いました。楽しみです。
展開的には色々な人がお掃除的に退場していったので、ちょっと残念なところもありましたが、面白かったです。
でも、ユヴィオールは転生前の姿の方が好きだったかな・・・。
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