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紅茶好きの管理人が読んだ読書の記録のためのブログ。ネタバレありですのでご注意ください。
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マユリ
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女性
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Since2010.11.26
総読書感想数 430

読書と音楽とゲームとおいしいものと人形をこよなく愛する多趣味な人間です。
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朧月夜の怪    薬師・守屋人情帖 (富士見新時代小説文庫)
朧月夜の怪 薬師・守屋人情帖 (富士見新時代小説文庫)
  • 発売元: KADOKAWA/富士見書房
  • 発売日: 2013/12/11



(2014年読書感想5冊目)


青木祐子 著 

おすすめ度★★★☆☆ (好きな雰囲気ですが、ちょっとあっさりしていて物足りないです。)


「竹蔵も言っていただろう。世の中、悪いのがみんな悪いわけじゃないし、いいばかりがいいってわけじゃない」 (p249)


大好きな少女小説家、青木祐子先生の、たぶん初めての一般小説は、なんと時代小説です!
時代物はめったに読まないのですが、作家買いしてしまいました。
というか、富士見書房が時代小説レーベルを出し、そこに青木先生を持ってくるとは、意外でした。
時代物は私にとってもなじみがないですが、気軽に読めそうなのはいいですね。

渋谷町に居を構える薬売りの守屋真(もりや しん)
彼を主役にした、ミステリ仕立ての短編集で、表題作「朧月夜の怪」「七十五日の瓦版」「料理茶屋の女」「毒を摘む」の四編を収録しています。

短編集なので、どれも事件の幕切れがあっさりしすぎてる感じがあるのが、ちょっと気になりました。話の流れや犯人もすぐに解ってしまいましたしね。結局この人たちはどうなるんだろう? というのが描かれないので、想像の余地があるというか、ちょっともやもやするというか、薄味というか。

でも、嫌いではないです。淡々としていて、不器用ですが温かい守屋さんの人柄は好感が持てますし、続編が出るなら買って読みたいです。

お話としては、「七十五日の瓦版」「毒を摘む」がよかったかな。綾とかかよとか、青木先生の書く女の子ってすごくかわいらしいので。
まあ、どれも若干バッドエンドというか、ハッピーエンドではない感じでしたが、この時代ならではの人情のもつれとか、ままならさというものを、堪能できる一冊だったと思います。
続編が出たら買いたいな。
私は祥太が好きですね。
守屋さんの過去とかも何かあるのかな? と勘ぐってしまいます。
青木先生ならではの、落ち着いた文体が好ましい一冊でした。
かよと弥吉は、このまま長じて一緒になってくれればいいななんて思ってしまう私は、少女小説好きの人間です。

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(2013年感想9冊目)

桑原水菜 著  トミイマサコ 表紙絵

おすすめ度★★★★☆(爽やかな時代小説です。)


単に年の頃が近く、背丈が近い、というだけの理由で、親方に組まされた。
が、とにかく気が合わない。
息も合わない。(p17)



「炎の蜃気楼」シリーズで有名な桑原水菜さんの一般時代小説ものです。桑原さんといえば「炎の蜃気楼」の邂逅編で、やはり時代物を書いていますね。私はそちらは未読ですが、なるほど、書き慣れている感じがします。
しかも今回の舞台となる箱根は、桑原さん得意の地。筆が冴えています。

箱根の駕籠かきである漸吉と侘助は、相棒を組まされているが、とにかく気が合わないことで有名だった。速いは速いが、乗り心地は最悪。しかしそんな「ワビゼン」の二人が、色々なお客たちと出会い、成長していく物語です。

最初は喧嘩ばかりしている漸吉と侘助の二人に、ハラハラドキドキしてしまい、読む手が止まってしまいましたが、表題作の中頃から面白くなって来て一気に読めました。面白かったです。文章の癖など、気になるところもあるのですが(何かにつけておなごと多用したりとか)さすが桑原さん、色男を書かせたら一品だなあと思いました。ちなみに私は旋風次の兄貴が好きだなあ。

箱根といえば駅伝を思い浮かべる私ですが、あそこの急な坂道を、お客を担いで上がるのは、しんどそうだ……、と思いました。でも、そんな駕籠かきの様子が、活き活きと描かれていて、江戸当時の箱根の様子など、「そうなのか」と思わされることも多く、楽しく読めました。

ただ、とっても爽やかなので、いわゆる「桑原節」を期待している方には合わないかもしれません。
侘助の、ちょっと影があるように思われる過去に期待するところではありますが、果たして続編が出るかな……。
でも、続編が出るならぜひ読んでみたいと思わせるような一冊でした。
人情のある時代物で、読後も爽やかなので、そういうものが手軽に読みたい方には、おすすめの一冊です。

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羽州ものがたり (カドカワ銀のさじシリーズ)
羽州ものがたり (カドカワ銀のさじシリーズ)
  • 発売元: 角川書店(角川グループパブリッシング)
  • 価格: ¥ 1,680
  • 発売日: 2011/01/29

菅野雪虫 著 遠野志帆 表紙絵
お勧め度★★★★☆(なかなか好き。読みやすくて読後感も良いです)

「俺には春風さまみたいな親もない。ムメのように考えるのも苦手だ。誰かに、正しいことを教えて欲しかったんだ。どうすればいいか、言って欲しかったんだ!」
そう言うと、カラスは崩れるように草むらにうずくまり、声をあげて泣き出した。(p286)

初作家さんです。そうして私にしては珍しく歴史物というか時代小説です。表紙の美しさにやられてしまいました。遠野さんの絵、好きだなあ。
舞台は平安時代の元慶年代。羽州(出羽国。今の秋田~山形県のあたり)の村長の娘、ムメが都からやってきた貴族の息子、春名丸と出会うことから始まります。
実際に史実に残る元慶の乱を、民衆たちの視点から書いた物語です。

といってもこの本を読むまで、お恥ずかしながら、元慶の乱も知らなかったし、羽州がどこかもあやふやにしか分からなかったりしたのですが。でもだからこそ楽しかったというか、読後に興味を持てた一冊でした。登場人物の何人かは実際に史実に名を残す人なので、読後にそれについて調べたりして楽しむのも、なかなか味わえない楽しみでした。

お話としては、まあ可もなく不可もなくという感じですが、読みやすい文章と全体に漂う雰囲気、そうして読後感がいいので、楽しく読むことができる1冊です。
まあ、歴史上の事件を扱うには、ちょっと分量不足で、もっと書きこんでほしかったかなあ、とは思いますが。逆にその読みやすさがいいのかも知れません。

ムメ、カラス、春名丸という3人の登場人物(少女1人に男性2人)の間で育まれる友情が、見ていて気持ちいいです。恋愛に発展する前の、あるとしたらこの物語のあと恋愛に発展するような、そんな一番みずみずしい時間を切り取っています。
最初は春名丸がヒーロー役なのかと思ったらそれはカラスで、カラスがあんなことになってしまうのでドキドキした1冊でした。裏表紙のカラスが恰好いいです。春名丸は、元服したあとがなかなか格好良かった!
いろいろとドキドキしたのですが、最後にもう一声! というかもう一波乱欲しかったような気もします。ドキドキしたのにそのドキドキが昇華されない感じでした……。

そして何より、春風さままいいなあ。もうこの話は春風さまが主役じゃないかとか思ってしまうくらい存在感が輝いている。春風さまがムメやカラスを呼ぶ時の、「羽州の私の娘(息子)」という言い方には、ムメたちと同じく胸がいっぱいになりました。

それでもやっぱり、1冊完結なのがちょっともったいないかなあ。同じ作者様で、シリーズものがあるらしいので、そちらも読んでみたいです。

ヤング・アダルトの方が、平安時代あたりの歴史に興味を持つのにはお勧めの1冊だと思います。と言いつつ私もこの話、好きです。

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