菊地秀行 著 ひろき真冬 表紙絵
お勧め度★★★★☆(一気に読める軽快な吸血鬼ものです)
「銀座にはすぎたものが三つある。『ルナ・プリナ』の店長と主人とギター弾きだ」
「怖れ入ります」
ちょっと先週は外出し通しだったので読書できませんでした。
吸血鬼ものをよみたいなー、と思ったので、吸血鬼を主役にしたものの中で以前から興味があったこのシリーズを読んでみました。表紙のリリスが格好いいですね。
吸血鬼と言えば著者の菊地さんの大好きなキャラクターであり(私も大好きですが)このお話は登場人物のほとんどが吸血鬼あるいはそれに類するキャラクターなので、吸血鬼好きにはたまらない一冊です。
主人公の秋月君の一人称で語られるのですが、これが軽快であり、かつちょっとハードボイルドなのがまたよいのです。
菊地さん、すごく楽しんで書いてるなというのがわかります。
秋月君はやられっぱなしなのでちょっと格好悪いけど、かかわった人々のことをちゃんと考えて面倒見てくれる世話焼きなところと、飄々としてる性格がたまらなく好みです。こういう吸血鬼って珍しいけれど、なによりも吸血鬼だと思う。
タイトルになっているリリスはルーマニア料理店『ルナ・プリナ』(月光の意味)のオーナーを務める謎の盲目の美青年。菊地さんの作品で盲目の美青年も珍しい。
このリリスがまた謎の存在で、正体とかがわからないので、どきどきします。
吸血鬼好きとしても大変に満足できた一冊です。なかなか新しい吸血鬼像だと思うので、吸血鬼好きの方は是非。
個人的には次回作も非常に気になる一冊。機会があれば読んでみたいと思います。
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