(2013年感想55冊目)
白川紺子 著 宵マチ イラスト
おすすめ度★★★★☆(4・5位。面白かったです。今最も好きな少女小説のひとつ!)
「ねえ、行きましょうよ。手を離して」
「キスしてくれたら離すよ」
「ジェレミー……」(p89)
コバルト文庫の少女小説作家、白川紺子さんのヴィクトリアン・ロマンティック・ファンタジー小説第二巻。
無事シリーズ化が決まり、とっても嬉しかったです。またクレアやジェレミーやセドリックに会えるなんて!
愛する人を呪い殺すという宝石、レディ・アン・ジュエルを家宝とするマーチ伯爵家の次期当主クレアは、その呪いを解く方法を探すためにロンドンヘ。しかし、様々な思惑に絡まれ、事件へと巻き込まれていく……。
といったお話かな。
今回持ち込まれた呪いの宝石はエメラルド。いいですね。
シリーズ化が決まり、クレアを取り巻く環境が一気に広がったように感じたられたのがよかったです。
今回新しく、女性陣がたくさん出てきたのがすごくよかった! 四姉妹もコーダー嬢も、これからもクレアと仲良くして欲しいです。
そしてなによりこの巻は、相変わらずの毒舌っぷりを発揮するクレアの兄セドリックと、ジェレミーの兄バートがよかったです! 特にバート! いいお兄ちゃんじゃないですか。
この小説はヒロインとヒーローの関係だけじゃなく、周囲の人物の関係も丁寧に書いているのが好感です。
文章自体も丁寧で読みやすく、美しいです。何より、ドレスや食べ物の描写がうっとりするくらい素敵!
ロマンス、ジュエリー、ドレス、スイーツと、女性の夢が丁寧に描かれている、本当に素敵なシリーズです。
男性キャラが多く、それぞれに魅力的な本作ですが、私はやっぱりヒーローのジェレミーが好き! クレアを一途に想うその様子が、格好いいというよりはたまらなく可愛らしいです。
今年読んだ少女小説の中でも、トップ5には入る良書です。これからも読んでいきたいので、続いていってくれるといいな。
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