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紅茶好きの管理人が読んだ読書の記録のためのブログ。ネタバレありですのでご注意ください。
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マユリ
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女性
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Since2010.11.26
総読書感想数 430

読書と音楽とゲームとおいしいものと人形をこよなく愛する多趣味な人間です。
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黒猫の遊歩あるいは美学講義
黒猫の遊歩あるいは美学講義
  • 発売元: 早川書房
  • 発売日: 2011/10/21




(2013年読書感想62冊目)


森晶麿 著 丹地陽子 表紙絵
おすすめ度★★★★☆(4・5くらい。すごく興味深いミステリでした!)

「僕が行うのは美的推理であって、導き出された真相が美的なものでなければその時点で僕の関心は失われる。美的でない解釈が解釈の名に値しないように、美的でない真相もまた真相の名に値しない」(p14)


最近いろいろなところで名前を聞くようになってきたこのシリーズ。図書館に置いてあったのを見かけたので、借りて読んでみることに。
まず、この何とも言えないお洒落な題名がいいですよね。丹地陽子さんの装丁も素敵です。

24歳という若さで教授職に就いた美学学者の通称「黒猫」
大学院でポオ研究をしている、彼の面倒を見ることになった「付き人」の私。(女の子)
彼らが解決する、ちょっと不思議な事件とは??

この本は予想以上に私の好みでした! まず、美学という普段あまり接しない学問にスポットが当たっているのがいいですね。黒猫も美学学者として、すごく変わっているけど優しくて、そんなキャラの立った登場人物たちが織り成すミステリにひき込まれていきました。
また、黒猫と付き人である女の子の距離感が最高にいいのですよ! 黒猫のこの優しさは付き人ちゃん限定では?? と勘ぐってときめいていました。
何というかミステリなのですけど、青春少女小説みたいな塩梅の二人の距離感に、キュンキュンしてしまいました。30分くらいの枠で、ドラマ化したらいいのにななんて読みながら思ってしまいました。

話の内容は少し小難しかったけど、少しだけ籍を置いていた大学院時代を懐かしく思い起こせました。
そういう意味でも青春していてよかったなあと思います。

ミステリとしては、非常に端正なミステリという印象で、多少の強引さはあるものの、小気味よいです。
私が好きなのは1作目、「月まで」と3作目「水のレトリック」でしょうか。なんともこの作者の描く女性たちがかわいらしくて、たまりませんでした。
ただ、後ろの選評にも書いてありましたが、ポオの小説の犯人について言及されてたりするのはいかがなものかなと思いました。でも、この本読んでからポオを読んだらおもしろそうですね。
2作目からは長編という形式になるのでしょうか。
いずれにしても大変好みの作品なので、続きも読んでみたいなあと思いました。

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バチカン奇跡調査官    天使と悪魔のゲーム (角川ホラー文庫)


バチカン奇跡調査官 天使と悪魔のゲーム (角川ホラー文庫)



  • 発売元: 角川書店(角川グループパブリッシング)

  • 発売日: 2012/12/25



(2013年感想13冊目)


藤木稟 著  THORES柴本 表紙絵

おすすめ度★★★★☆(この短編から入ってもとても面白かったです!)

「ロベルト神父、心配することは何一つ、この世に存在しない。すべては神の御手によって紡がれているのだから……。君には一言だけ言っておこう。『暗闇を知る者こそが、よりよく光を知るのだ』とね。君はそういう人間だ。」(p128)


「バチカン奇跡調査官」シリーズの初の短編集。
ロベルトの過去とロベルトと平賀の出会いを描いた「陽だまりのある所」、平賀とローレンの出会いを描いた「天使と悪魔のゲーム」、サウロ司祭の過去を描いた「サウロ、闇を祓う手」、ジュリアの出生の秘密が明らかになる「ファンタンゴ」の短編4篇を収録しています。

実は私はこのシリーズ、興味はあったのですが、読むのはこれが初めてという不束者です……。長編は結構分厚いし、短編集だと入門編にはちょうどいいかな……、と思い入門書がわりに読みました。帯に、初心者歓迎とも書いてあるしね。

一抹の不安はあったのですが、この短編集から読んでも十分に面白かったです!面白くて読みやすいので、サクサク読めました。その結果一日で読破です。本当に面白かった。

「陽だまりのある所」はヨゼフ君(平賀ではない)とロベルトの友情が本当に素晴らしくて、最後の方ではうっかり涙ぐんでしまいました。こういう交流、本好きなら絶対憧れるだろうなあ……。
「天使と悪魔のゲーム」は、お話的には一番ホラーっぽかったかなあ? と思います。 でも、その分一番興味深く読んだかもしれません。
「サウロ、闇を祓う手」は、サウロ司祭の過去話。こういうおじいさんの若かりし時代のお話って、やっぱりしびれるものがありますよね。
「ファンタンゴ」はこの短編集の中で一番難解だったかな。ジュリアが6人いるってことでOKかな??

とにかく、予想外に面白く、また感激した一冊でありました。キリスト教の世界にも興味があるので、そこも楽しかった。お話としてはどれもなんてことのない、ありふれたお話かなあと思うのですが、この本を書ける藤木さんはすごいなあと思いました。
俄然、長編も読んでみたくなりました。しかしこの短編集のおかげで、先入観ではジュリアが好きだったのですが、なんとなくサウロ司祭が気になっています。また、長編を一通り読んだ頃に、読み返したいと思う1冊なのでした。面白かったです。この本からでも、ぜひ。

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(2013年感想12冊目)

原題  Hemlock At Vespers
ピーター・トレメイン 著  甲斐萬里江 訳

おすすめ度★★★☆☆(短編もいいですが、個人的には長編の方が好みかな。)


「ヘリンバート院長殿、私どもは、難解を解明しようと努めている理性ある人間のはずではありませんか。その過程で、私どもの誇りと自尊心を傷つける振る舞いをしては、なりますまい。なぜなら、私どもが目指しているのは、真実なのですから。真実のみを求めているのですから」(p46)



「修道女フィデルマ」シリーズの短編集。15篇の短編を5篇ずつにわけて、日本独自に編集出版したものです。これはその最後の五編が収録された短編集です。第三弾ですね。
高位の法廷弁護士にして裁判官、ドーリィであるところの美貌の修道女フィデルマが、国内外問わず鋭い推理で数々の事件を解決します。
この本には、「ゲルトルーディスの聖なる血」「汚れた光輪」「不吉なる僧院」「道に惑いて」「ウルフスタンへの頌歌」の五篇が収録されています。

うーん、個人的には、長編の方が好みかな、といった印象。短編集はサクサク読めるので、それはそれで魅力的なのですが、なんといっても短編集はワトソン役のエイダルフが(少なくともこの本には)いない! これが残念で仕方ありません。
推理小説としてだけ見るならば、短編は冗長にならない分だけいいのかもしれないですが。
しかしこれだけ読むと作者の話の落ちどころもわかってきてしまい、似たようなお話が多くなってしまうのも残念なところです。
どの犯人の動機も、色恋とかちょっと異常な性癖とか、そんなのばかりなんだもの……。

しかしさすがアイルランドの歴史の権威であるトレメイン先生だけあって、随所に散りばめられているケルト当時の風習は、とても読んでいて面白いです。このケルト事情だけでも、読む価値アリだと思います。

個人的なお気に入りは、「ウルフスタンへの頌歌」ですね。このシリーズで密室ものが読めるとは思っていなかったので嬉しいです。サクソンの王子たちといった、(小物だけど)大物がたくさん出てくるのも楽しいです。
しかし、フィデルマの頭の切れっぷりは、当時では相当変わり者だったのではないでしょうか。皆が妖術と騒いでる事件を、理詰めで解決していくんですもの。

フィデルマ単体でも十分に魅力的ですが、やはり彼女の隣にエイダルフがいると、フィデルマはもっと活き活きしているようにみえます。そう言う意味で、私個人としては長編に軍配をあげますね。でも、手軽に読める短編集もまたよしです。ああ、またこのシリーズが何か読みたくなって来ました。
評価はちょっと辛めですが、面白かったです。


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ビロードの爪 (創元推理文庫)
ビロードの爪 (創元推理文庫)
  • 発売元: 東京創元社
  • 発売日: 1961/02/17



(2013年感想11冊目)

原題 The Case of the Velvet Claws
E・S・ガードナー 著  小西宏 訳

おすすめ度★★★★☆(派手さはないですが、冷静なメイスンが格好いいです。)

「いや、ぼく自身の義務だよ。ぼくはやとわれ剣士だ。依頼人のために戦うんだ。依頼人というものは、たいてい正直じゃない。だからこそ依頼にくるんだ。連中は事件にまきこまれている。それを助けるのがぼくの仕事だ。(後略)」(p25)

知り合いのマイ・ベスト本だということで手にとってみた一冊です。
弁護士のペリィ・メイスンは、嘘ばかりつく依頼人に依頼を頼まれ、引き受けます。そうして、殺人事件に巻き込まれるのですが……。

本書は、多作な作家として知られたガードナーの、もっとも成功したシリーズ、ペリィ・メイスンシリーズの第一作目です。このあと何十冊も書き続けられていく作品の、記念すべき初のシリーズというだけで、感慨深いもものがありますね。

感想としては、面白かったです。派手さはないのですが、淡々とした筆致と冷静なメイスンが格好いいです。秘書のデラは可愛いし、このコンビ、好きになりそうな予感でいっぱいです。
簡素で平易な文章も、とっても癖がなくて読みやすいです。翻訳ものとしての読みやすさは、指折りではないでしょうか。

メイスンは、なんというか、色々な意味で若いのですが、そこがまた、格好いいですね。
古いミステリなので、今の時代では通用しない捜査や手法もありますが、これは良質なミステリだと思います。
作者のガードナー自身が弁護士で慣らしていた方なので、メイスンのポリシーが非常に格好よく、これはなんというか、このメイスンの魅力に引き込まれるシリーズなのだなあと感じました。
また、最後に次の依頼人が分かる仕組みなのもいいですね。次は、「すねた娘」です。
メイスンの冷静さ、若さが私はとにかくツボなのですが、淡々としすぎて性に合わない方もいるかもしれません。
でも、個人的には一度は読んでみてもいいシリーズなのではないかと思います。
おすすめ。ただ、早川版など色々な出版社から出てますが、個人的にはハヤカワで読みたかったなあと思います。いや、完全に好みの問題ではあるのですけどね。この創元版が悪いということはありません。

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ビブリア古書堂の事件手帖 2 栞子さんと謎めく日常 (メディアワークス文庫)
ビブリア古書堂の事件手帖 2 栞子さんと謎めく日常 (メディアワークス文庫)
  • 発売元: アスキー・メディアワークス
  • 発売日: 2011/10/25



(2012年感想117冊目)

三上延 著 越鳥はぐ イラスト 
おすすめ度★★★☆☆(3・5位。さらりと読めて面白いです。)


「大輔くん……」
「えっ? な、なんですか?」
「……って、呼ばれてるんですよね。五浦さん」(p127)



ベストセラー、ビブリア古書堂の事件手帖の二冊目です。
北鎌倉に店を構えるビブリア古書堂。店長の篠川栞子は、並外れた洞察力で、古書にまつわる謎を解き明かしていく……。といった内容となっています。

今回もさくっと読めました。
栞子さんが相変わらず、ちょっと黒いのがいいですね。そんな栞子さんと大輔の関係がまた、狙ってると分かっていてもにやにやさせられます。
この人たち何なんだろう! もうなんて言うかいい雰囲気すぎて、一巻以上に応援したくなってしまいました。(一巻の時は二人の間柄にそんなに興味なかったのに……。)

そんな二人のあいだに影を落とす、この巻通しての大きな謎は、栞子さんの母親にまつわる謎。
この母親っていうのが、栞子さんそのまんまなんだけど、栞子さんをもっとすごくしたような人で……、まだ片鱗しか見えていませんが、空恐ろしい人であります。
栞子さんがお母さんとの確執を乗り越えることができたとき、きっと物語も大きく動いて行くんだろうなあと思いました。

今回出てくる古書も、どれも読んでみたいと思わせるものばかりで、本に関する豆知識も含め、本好きとしてはやっぱり心惹かれる一冊となっています。脇役の皆様も素敵。今回背取り屋さんの出番が少なかったから、次巻はもうちょっと期待したいところです。
今回もあっさりと読めますが、巻を重ねるごとに、物語にも登場人物にも愛着を感じます。次の巻も読むぞ。
今回興味をそそられた一冊は、国枝史郎の「完本蔦葛木曽桟」ですね。いつか読んでみたいな。
今回は、有名な作家の本名とか別のペンネームとか、そういう感じが多かったのも印象的。次の巻がどう展開されていくのか、楽しみにしたいと思います。


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