(2014年読書感想2冊目)
原題
Knights of The Silver Dragon1 Secret of the Spiritkeeperマット・フォーベック 著 安田均監訳 柘植めぐみ 訳 池田宗隆 画
おすすめ度★★★★★ (おもしろかった! D&Dらしい冒険小説。)
「さあ」ケラックは二人をふり返った。
「いよいよゼンドリックを助けるときが来た」(p272)ファンタジーTRPGの元祖ともいうべき、D&D(ダンジョンズ&ドラゴンズ)をもとにした冒険小説。D&Dは様々な世界が派生されていますが、その中でもグレイホークという世界観の中で繰り広げられる物語です。
母親を亡くしたケラックとドリスコルの兄弟、父が罪人である少女モイラは、ケラックの師匠である魔法使いゼンドリックを助けるために、恐るべき地下遺跡へと冒険を余儀なくされます。
とにかく面白くて一気読みしました! D&Dは大好きだし、その中でもグレイホークは一番思い入れのある世界観です。聖カスバートのカッジェル(棍棒)という単語が出てくるたびに、燃えるものがありました。
物語も登場人物も王道ですが、とにかく面白いです。
文字も大きくて振り仮名も沢山の親切設計。子供たちがこういう本を読んでわくわくしてほしいなあと思える本です。
なにより、D&D小説らしい独特の泥臭さがあるのがいいです! この雰囲気がすごくよく出ているので、とっても面白かったです。
聡明で度胸のあるケラック、ちょっと怖がりだけど心優しいドリスコル、しっかり者のモイラ、この三人の子供たちが力をあわせて、様々な困難に立ち向かっていく様に、読む手が止まりません。非常に読みやすかったです。
私はケラックが好き! とにかく頭が良くて、落ち着いていて格好いい! ドリスコルも憎めないキャラクターだし、モイラはなかなか肝が据わっていて格好いいです。
RPG小説が好きな私は、すっかり本シリーズの虜です。本国では20冊近い本が出てるとのことですが、日本では三冊のみしか翻訳されていない様なのが残念。
王道だけど面白くて、夢中になってすぐ読めました。ケラックがまじめ腐った顔して方向音痴というギャップがちょっとほほえましく、一番印象に残ったシーンでした。
しかしゼンドリックって、そういう地名がエベロンの世界にもあったような……。単なる偶然かな??
とにかく、翻訳されている残り二冊を、じっくりと楽しんで読みたいです。
ゲームをやっているような感覚で読めるので、ゲームが好きな方にお勧めの一冊。
本の造りもなかなか読みやすくて好みでした。
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