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原題 La increíble y triste historia de la cándida Eréndira y de su abuela desalmada
G.ガルシア=マルケス 著 鼓直 木村榮一 訳
お勧め度★★★★☆(好みは分かれると思いますが一読の価値はありだと思います)
「百年の孤独」で有名なコロンビアの作家、ガブリエル・ガルシア=マルケスの短編集。大人のために書かれた、残酷な創作童話らしいです。友人に勧められて手にとってみました(ありがとう!)
内容は、「大きな翼のある、ひどく年取った男」、「失われた時の海」、「この世で一番美しい水死人」、「愛の彼方の変わることなき死」、「幽霊船の最後の航海」、「奇跡の行商人、善人のブラカマン」、「無垢なエレンディラと無情な祖母の信じがたい悲惨の物語」の7編を収録。
収録作品の題名からしてすごくシュールなので、これはいわゆる奇書の一種だろうかと身構えていたのですが、読んでみると想像以上になかなかすんなりと読むことができました。ただ、ラテンアメリカ文学は初めて触れるし、内容も独特なので、読んだものすべてを理解できたとは到底言えませんでしたが……。一回読んで理解できたの、半分くらいかなあ……。
そんな中でも個人的には、最初の三編と最後の「エレンディラ」が好きです。エレンディラはかわいそうだけど、透明感のある感じが可愛いです。
無情さと厳しさの中に、幻想的で、どこか悲しくて、それでいて甘美な物さえ感じてしまう筆致が、読んでいて不思議な心地にさせられます。この雰囲気を味わうためにも、一度は読んでみていいのではないかなあと思わせる1冊です。
まあそれでも好みの別れる作品で、合わなかったからと言って忘れられるような作品でもないので、なかなかに人を選ぶ作品だとは思いますが。私は好きな作品です。不思議と、嗅覚に訴えてくる作品でした。薔薇の香りとか、オレンジの香りとか。こういう作品は少ないので、そう言った面からも楽しめた1冊です。
ガルシア=マルケスの入門書としても悪くはないかも?
興味のある方は手にとって見て下さいね。
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