忍者ブログ
紅茶好きの管理人が読んだ読書の記録のためのブログ。ネタバレありですのでご注意ください。
| Admin | Write | Comment |
カレンダー
03 2024/04 05
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30
カウンター
フリーエリア
にほんブログ村 本ブログへ
にほんブログ村 もしよろしければぽちっとお願いします!
最新コメント
[06/25 Smithk712]
[06/23 Smithc712]
[09/10 マユリ]
[09/08 fallclover]
[06/16 マユリ]
プロフィール
HN:
マユリ
性別:
女性
自己紹介:
Since2010.11.26
総読書感想数 430

読書と音楽とゲームとおいしいものと人形をこよなく愛する多趣味な人間です。
バーコード
ブログ内検索
P R
忍者アナライズ
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

心のナイフ 上 (混沌の叫び1) (混沌の叫び 1)
心のナイフ 上 (混沌の叫び1) (混沌の叫び 1)
  • 発売元: 東京創元社
  • 発売日: 2012/05/30




(2013年読書感想76冊目)


原題 Chaos Walking The Knife of Never Letting Go
パトリック・ネス 著  金原瑞人 樋渡正人 訳

おすすめ度★★★★☆(久しぶりのSF小説。続きが気になります!)


「父さんがよく言ってた。前身あるのみ。内にこもるな、顔を上げろ」(p249)


世界中で高い評価を得ている、パトリック・ネスのディストピアン・SF小説、混沌の叫び三部作の第一部の上巻の感想です。題名はカオスの叫びと読みます。

そう、これはファンタジーではなくSF小説です。
私にしては珍しいチョイスだけど、妙に気になったので。
SF小説久しぶりに読んだけどわくわくした! そうしてちょっと怖かった!
人々が新しい暮らしを夢見て移殖した新世界。しかしエイリアンである処のスパクルとの戦いで、ノイズ菌という細菌をまかれ、そのおかげで男の半分と女は総て死に絶え、生き残った男たちは、ノイズ菌に感染。自分の考えが相手に伝わってしまうという症状に罹ります。人間だけでなく、動物も皆感染します。
もうすぐ大人の仲間入りを果たす主人公のトッドは、プレンティス・タウンというノイズだらけの街で育つのですが、ある時、全くの静寂に出会ったことから、町を追われることになります。
そこで、女の子と出会って?(女の子は全員死んだはずなのに……)

トッドが逃げなくてはいけない理由とは? 何が真実で、何が偽りなのか? そういったことはまるで分らないまま、とにかく逃げる小説です。おもしろいのかそうじゃないのかわかりませんが、不思議な吸引力があってすごく引き付けられます。
理由もわからないまま向けられる悪意。逃避行はうまくいかないことばかりですが、その中にも希望が一筋差し込んでいるような物語です。

SF小説は久しぶりに読んだけど、これはすごく続きが気になる! というか、あんなところで終わらせるとは! 続きも借りてきてよかったです。
色々な謎がまだまだ明らかになっていませんし、世界観もおぼろげにしかわかりません。
だけど、読ませる力のある作品です。
一体、プレンティス・タウンは何をたくらんでいるのか?

YA向けの本ですが、大人が読んでも楽しい1冊。もちろん、YA世代の方も、読んで面白い一冊です。
少年少女らしい心の機微や、大人たちの愛情を確かに感じられ、本当に完成度の高いシリーズなのだろうなと思わされます。
続きも近いうちに読みたいです。
そんなに厚い本でもないですし、気になる方は是非読んでみてくださいね。

拍手[0回]

PR
ブラッドレッドロード 死のエンジェル(下) (ソフトバンク文庫)
ブラッドレッドロード 死のエンジェル(下) (ソフトバンク文庫)
  • 発売元: ソフトバンククリエイティブ
  • 発売日: 2013/02/21



(2013年感想24冊目)

原題 Blood Red Road
モイラ・ヤング 著 三辺律子 訳

おすすめ度★★★★☆(なんか、内容は薄い感じなんですが、好きなお話です。)


トントンがシルバーレイクにやってきたときから、すべてが変わったわ。
もう一度、一からお互いのことを理解しなきゃならないのかもしれないな。
そうかもしれない、あたしは言う。(p260)



イギリスでは人気を博し、リドリー・スコット監督が映画権を獲得している、ダスト・ランドシリ-ズの一作目、「ブラッドレッドロード」の翻訳の下巻です。
双子の兄、ルーを連れ去られた妹のサバ。夏至の日までにルーを助け出さなければ、ルーは生贄にされてしまう……。

といった内容かな。

表紙はルーですね。確かに格好いいです。あんまり出番無いですが……。
上巻の最後でルーをさらった元凶であるヴィガー王を倒したサバ。でも、ルーが危ない……、とまだまだルーを助ける旅を続けます。
悪の元締めが物語の半ばで死んで、これからどうなるんだろう? と思ったら、なかなか波乱万丈な旅路だった。
正直、お話としてはよくある話なのですが、それでも熱いものがあります。強くて(強すぎて?)タフでハードボイルドな主人公のサバ。旅を通して、恋に友情にと学んでいきます。
特にヒーローのジャックが格好よくて、脇役の個性も光る一冊でした。三部作が予定されていて、現在向こうでは二部作目まで出ているようですが、続編の翻訳をぜひ待ちたいです。

もう、本当にジャックが格好良くて……。こういう男子、好きだなあ。
お互いに激しく求め合いながらも、それ以上に大事なことのために、最後では離れ離れになるふたり。
ジャックの熱烈なアピールに対して、困惑しつつもつんつん跳ね返し、最後には素直になるサバの姿が良かったです。
続編では再会もあるようなので、今後の二人の関係に期待です。

あとは、せっかくのディストピア小説なのに、世界観の描写がかなり薄味なのがちょっともったいないかなあと思いました。でも、ちゃんとこれはSFだってわかるし、煩雑な世界説明がなかったぶん、物語には入り込めたので、これはこれでいいのかもしれないですが。
ただ、日本では売れそうにない小説かなあと思う。私は好きなんだけど、消費され尽くした感のある展開と物語って感じです。翻訳物は売れないと続きでないし、辛いですね。
ぜひ続編の刊行も望みます。
文体は独特ですが、慣れれば軽く読めて面白いので、何かそういう気分の時にお勧めの一冊かな。最初はちょっと殺伐としていますが、そこもまたディストピアらしいでしょうね。私は好きです。

拍手[0回]

ブラッドレッドロード 死のエンジェル(上) (ソフトバンク文庫)
ブラッドレッドロード 死のエンジェル(上) (ソフトバンク文庫)
  • 発売元: ソフトバンククリエイティブ
  • 発売日: 2013/02/21



(2013年感想23冊目)

原題 Blood Red Road
モイラ・ヤング 著 三辺律子 訳 toi8 表紙絵

おすすめ度★★★★☆(独特の文体に慣れたらさくっと読めて面白いです。)


ぜったいに見つける。どこへ連れていかれようと、ぜったいにあたしがルーを見つけるから。(p67)


さらわれた双子の兄を助けに行く双子の妹の物語。
この、王道だけどちょっとひねったあらすじに心惹かれて、店頭で衝動買いしたのが本書です。
表紙や、リドリー・スコット監督で映画化が決まっているという帯も、購入のきっかけだったかも。

冬至の日に生まれた双子、ルーとサバ。18歳のとき、ルーが何者かにさらわれてしまいます。サバは、妹のエミとともに、ルーを救けに行くと約束しますが……。

といったような導入部です。

この話、限りなくファンタジーに近いSFとなっています。今の私たちの文明が滅んだ、未来の時代のお話ということになっています。ルイ14世とか、名前ができてきます。でも、主人公のサバが人のいない砂漠で暮らしていたから、世界観の描写などはかなり薄いですが。まあ、読みやすいので、これはこれでいいのかなあと思います。
文体も独特です。具体的には、会話文に鍵カッコがなく、全編ヒロイン視点で語られます。でも、この文体も少し読めば気にならなくなります。
最初の導入部分は、サバがあんなに崇拝している兄のルーの良さとかわからないし、兄と違って、サバは妹のエミを嫌っているので、読んでいて殺伐としていて、おもしろさも疑うのですが、徐々にサバもエミも成長していき、二人の関係に変化が見られるあたりから、一気に面白くなります。個人的には、250ページ一気読みしました。少女たちの成長と交流が素敵な、女性らしいSFですね。

まあ、ヒロインのサバがなんであんなにつよいのかいまいちわからないとか、色々ツッコミどころがあるのですが、これはなかなか面白いSFだと思いました。
下巻はもちろん、続編もあるようなので読んでみたいな。

個人的には、ルーよりジャックが好きです。格好いい。あと、エミはいい子。
とにかく慣れれば引き込まれるお話の展開で、一気に読めます。 
後編はルーを探しに行く物語がメインになるのかな? 楽しみに読みたいと思います。

拍手[0回]

サエズリ図書館のワルツさん 1 (星海社FICTIONS)
サエズリ図書館のワルツさん 1 (星海社FICTIONS)
  • 発売元: 講談社
  • 発売日: 2012/08/17


(2012年感想104冊目)



紅玉いづき 著 sime 表紙絵
おすすめ度★★★☆☆(お話としては可もなく不可もなくといったところ。)


「本ってどうやったら、こんなにたくさん読めるんですか?」
岩波さんは丁寧に作業をしながら、顔をあげずに答える。
「好きになれば、読めるだろう」
「どうやって、好きになりますか?」
「そりゃあんた。面白ければ、好きになるだろう」(p36)



紅玉いづきさんの「サエズリ図書館のワルツさん」一巻です。中身は連作短編集でしたが、1と銘打ってあるということは続編も考えられているのでしょうか。確かに続きそうな雰囲気ではありますね。

進んで読書するような本好きの人間にとって、本や本屋や図書館を舞台にした作品は、本当にずるい、と思います。しかも最近そういうのが流行ってるんだから、本当にずるい。
この本もそう言った本の一つで、大災害で紙の本がほとんど失われた後の日本の図書館が舞台となっています。
本はあるのですがほとんど電子書籍で、紙の本は贅沢品とされる世の中。未来にはそんな世の中来るのかなと本好きの誰もがきっと思いながら、この本では作者は、紙の本はなくならないと強く言っています。

ただ、作者様の紙の本への愛着が強いのはわかったのですが、お話としての面白みを考えるとうーん? と思ってしまう。お話としての中身があまりないというか……(特に最初の二篇)
そのあたりが残念でした。

でも、やっぱり読書や図書館が好きなら、ところどころ共感できる内容で、良かったと思います。
ただ、私はまだまだそこまでいかないので、書痴の人の本に対する執念といううかこだわりには、怖いなあと思います。
「上緒さん」「古藤さん」「森屋さん」「割津さん」と四編が収録されていますが、お気に入りは最後の二篇かな。上緒さんは最初はあまり好きになれなかったけど、いい子だと思います。

この本はSFだと思いますが、図書館を舞台にしたSFってちょっと珍しいかな? と思い、そのあたりは楽しめました。ただ、全体的に薄いかなあと思ってしまい、そこまでのめり込みませんでしたが…。
でも、続編出たら読むと思います。
好きな人は好きな題材の本だと思うので、興味がある人は、読んでみるといいのではないでしょうか。それこそ、図書館で借りるのが風情があるかも、なんて思ってしまう一冊です。

拍手[0回]

ゲイルズバーグの春を愛す  ハヤカワ文庫 FT 26
ゲイルズバーグの春を愛す ハヤカワ文庫 FT 26
  • 発売元: 早川書房
  • 価格: ¥ 819
  • 発売日: 1980/11

原題 I Love Galesburg in the Springtime
ジャック・フィニイ 著 福島正実 訳 内田善美 表紙絵
お勧め度★★★★★(ほっとしたりほっくりしたり。ノスタルジックなSF短編集)

これが私の悩みといえば悩みである。私は街に恋をしたのだ。前世紀に建てられ、いまでも、古い写真などで見るのとたいして変わっていない(現代的になった商店の入口を別にして)、大通り沿いのひと握りの建物に、私は恋をしてしまったのだ。

ジャック・フィニイの名作短編集。いつか読みたいと思っていたのが、念願の読書。
まずは何と言っても表紙絵が素敵ですね。内田善美さんの描いた漫画「かすみ草にゆれる汽車」もまさしくゲイルズバーグらしくて良いそうですが、こちらもいつか読んでみたいな。とにかく、この表紙が気になる人には間違いなくお勧めの1冊です。

この短編集には10篇の短編を収録。表題作「ゲイルズバーグの春を愛す」ちょっとHで笑える「悪の魔力」不思議なノスタルジック感のある「クルーエット夫妻の家」、ちょっと怖いかも(?)な「おい、こっちを向け!」一番現実的な趣のある「もう一人の大統領候補」ちょっと切ない「独房ファンタジア」一番時間SFっぽい「時に境界なし」一緒に旅をするような風情の「大胆不敵な気球乗り」のちの「夢の10セント銀貨」のもとになった短編「コイン・コレクション」現代の若者とヴィクトリア朝の乙女の恋を描いた「愛の手紙」となります。
私のお気に入りは表題作の他、「悪の魔力」「クルーエット夫妻の家」「コイン・コレクション」「愛の手紙」あたり。

50年以上昔に書かれたお話ではありますが、とにかくノスタルジックな、ちょっとほっとしたりほっくりしたりする話の雰囲気がもう大好き。どれもそれぞれ趣の違う話ばかりですが、過去に対する何ともいえない愛情と憧れに満ちた視線は、読んでいる私たちを当時の時代へといざなってくれます。
これほどまでに過去という物にこだわり続けた作家フィニイは確かにちょっと変わっているのかも知れないなあ、とか、そんな彼は80年に及ぶ生涯をどんな気持ちで過ごしていたんだろう、とか、いろいろなことを考えさせてくれる作品。
確かに現代は便利になっているけれど、なくしてしまったものもたくさんあるのだろうな。

とにかく、作者の書く恋物語(街や家に恋をするのも含め)がとても好きです。こんな恋があるなら、素敵だろうなと思える恋物語ばかりです。(ちょっと笑っちゃうのもありますが)
こんないそがしい冬の暮れだからこそ読みたい、そんな一冊かもしれません。
お勧めの1冊です。

にほんブログ村 本ブログへ
にほんブログ村

拍手[0回]


Copyright c Enchanted by Books マユリの本棚 2冊目。。All Rights Reserved.
Powered by NinjaBlog / Material By 人形首 / Template by カキゴオリ☆
忍者ブログ [PR]