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紅茶好きの管理人が読んだ読書の記録のためのブログ。ネタバレありですのでご注意ください。
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マユリ
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女性
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Since2010.11.26
総読書感想数 430

読書と音楽とゲームとおいしいものと人形をこよなく愛する多趣味な人間です。
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獣の奏者 I 闘蛇編
獣の奏者 I 闘蛇編
  • 発売元: 講談社
  • 発売日: 2006/11/21



(2013年感想15冊目)


上橋菜穂子 著  浅野隆広 表紙絵
おすすめ度★★★★★(面白かった! 先が気になってたまりません。)


闘蛇はなぜ、あのように在り、人はなぜ、このように在るのだろう。
答えなぞ、ないかもしれないそんな問いが、心の中で疼いていた。そういう問の答えを、見つけたかった。(p226)



上橋菜穂子さんの「獣の奏者シリーズの一作目の感想です。守人シリーズも好きなのですが、こっちも気になり読書しました。アニメにもなりましたね。ちょっとだけ見たことがあります。

獣ノ医術師である母が厳罰に処され死んだ夜から、少女エリンの運命は思いもよらぬ方向へと流れ始めた。エリンは流れ着いた先でジョウンという男に養われ、そこで自然に対する好奇心を育んでいき……。
といったようなお話でしょうか。

とにかく、面白かったです!
終わり方も、こんなところで終わるのか、と先が気になってたまりません。続きの本借りてこなかったことを後悔です。
上橋さんの、読んでいて映像が頭の中に浮かぶ筆致はさすがとしか言い様がありません。そのためかもう本当、ページをめくる手が止まらないのです。これはアニメになるのも頷く本ですね。

エリンの心の成長を静かに優しく描き出す様子が、たまらなくあたたかいです。ジョウンとの交流は、エリンにとってもかけがえのないものとなっていくんだろうなあ。
とにかく、エリンという素敵な少女に出会って、その行き着く先が気になって仕方ありません。
政治も絡みそうな世界の中で、これからエリンがどう生きていくのか、見守って行きたいと思います。

一巻だったからか、エリンの周辺以外の偉い人たちが顔見せ程度の登場だったのが、残念といえば残念かなあ。真王や大公側の人間にも、魅力的な人物が多そうで、今から活躍が楽しみです。

本当、すごく骨太な奥行のある世界観を感じるので、これからの世界の広がりに期待です。
とにかく、面白くて読みやすくて、世界にどっぷり浸れること間違いなしのファンタジーです。これからの長い旅が、むしろ楽しみでなりません。おすすめ。

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夜の写本師
夜の写本師
  • 発売元: 東京創元社
  • 発売日: 2011/04/28



(2013年感想10冊目)

乾石智子 著  羽住都 表紙絵

おすすめ度★★★★★(面白かった! この詩的でダークな世界観がたまりません。)


「千年の因果をおれは経験した。確かに重たい千年だ。だけど」
「だけど?」
「それより大きく重たいのは、エイリャとフィンを殺されたことなんだ」(p216)



国内ファンタジー期待の新鋭、乾石智子さんのデビュー作。
ファンタジー小説において、海外作家顔負けの骨太な世界観を紡ぎ出す著者は日本にもいますが、乾石さんが間違いなくその一人と言っていいでしょう。人々の心の闇が大きな鍵を握るダークな世界観、詩的な描写、読んでいて一気に物語に引き込まれ、300ページ一気読みしてしまいました。面白かったです。
何か大作を読み終わった時の、充足感が今わたしの内を占めています。

キーナ村の少年カリュドウは生まれた時に、月石、黒曜石、真珠の三つの宝石を握りしめて生まれてきた。
しかしそんなカリュドウの人生は、育ての親エイリャと幼馴染の少女、フィンを殺された日から一転し、カリュドウは復讐に生きるため、魔術とは違う、写本師としての修行を積みますが……。カリュドウはやがて、自分の人生と交わる、千年の因果を知ることになります。
といったようなお話。

まず、写本師という、本を媒体にした呪いを得意とする人々の存在と設定が、海外ファンタジーらしい骨太な世界観の中に、日本人らしさを感じさせて魅力的です。本から魔法というだけで、本好きならときめく設定のはず(?)
そのほか、カリュドウと千年前の因果の結びつけ、宿敵アンジストとの対決の仕方など、とにかく奥行きを感じさせる世界観と構成が巧みで引き込まれます。
カリュドウの生い立ちは、なんとなくインドの叙事詩に出てくるシカンディンを思い出しました。
本当に、西洋の感覚と東洋の感覚がナイスなバランスで保たれていて表現されている、素敵な作家さんです。個人的には、この作品は日本の女流ファンタジーの歴史に刻まれる作品ではないかと思いました。とにかく、骨太で奥行きがあります。
また一人、楽しみな作家さんができたことは、嬉しいことであります。
この世界観での続編も出版されているようなので、そちらも読みたいと思います。
羽住都さんの装画も素敵ですね。
文庫落ちしたら、ぜひ手元に置いておきたい作品です。
とにかくおすすめの一冊です。

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魔女と金魚
魔女と金魚
  • 発売元: 幻冬舎
  • 発売日: 2010/06



(2012年感想96冊目)


中島桃果子 著  
おすすめ度★★★★☆(不思議な本。自信をなくした時に読むといいかも?)


ああ、誰か。
「外は雨だね」
と言う前に、泣いているのですかと、
それすら訊かずに、そばに座って。(p9)



友人が読書していて、私も題名が気になって図書館で借りて読書しました。
一言で言うなら、不思議なお話かな。ファンタジーで現実しているような、現実でファンタジーしているような、夢の中で冒険しているような、そんな気分になれるお話です。

題名から受けるお話の印象とは全然違うのでびっくりです。
お話自体はファンタジーなんだけど、そこに描かれてる恋愛模様はなかなかにリアルで、逆にその要素のバランスが絶妙で面白かったかな。
シュートという美少年がもっと出てくるのかと思ったらそんなことなくて、結局これは主人公の繭子と要の話に終始してる感じです。要は結構好きだから良いのですが、シュートとの絡みがもっとあるのかなと思っていたのでちょっと残念。
ただ、恋愛ものなのですが、なかなかファンタジックですごく好みです。

なかなか独特の文体で書かれているので、最初読むのが苦労しました。途中で放り投げるかな? とも思ったのですが、慣れてくると面白く、一気に読みます。この独特の文体と世界観も、読み終わった時には好きになれるはず。
主人公たちが暮らす街が、タロットを模した街というのもツボでした。ファンタジーだけどSFっぽい要素もありますね。
主人公の自信のなさと愚かさが読んでいていとおしくなる。その主人公が最後頑張って、ちょっと自信を取り戻すところが、なんだかいいです。ちょっと自信をなくした若い女の子とかに読んで欲しい本。一般本だけど、ヤングアダルトと言われても違和感ないかも。
金魚が象徴的な使われ方をされていて、なんというか、日本人だから書ける話だなあと思いました。独特の文体は正しく現代小説といった感じですが、面白かったです。


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RDG レッドデータガール  はじめてのお使い (カドカワ銀のさじシリーズ)
RDG レッドデータガール はじめてのお使い (カドカワ銀のさじシリーズ)
  • 発売元: 角川グループパブリッシング
  • 発売日: 2008/07/04


(2012年感想83冊目)

荻原規子 著 酒井駒子 表紙絵  
おすすめ度★★★★☆(まだまだ序章? 思ったより楽しめて嬉しい誤算でした。)

舞踏などにはまったくなじみのない深行だったが、それでもたぐいまれなものを目にしていることはよくわかった。うなじの毛が逆立つ思いは、和宮ばかりのせいではなかった。
(……どこが、何もできない女の子だよ……)(p300)


勾玉三部作や西の善き魔女などで知られる荻原規子さんの別作品。酒井駒子さんの描く表紙絵が素敵です。この作品、ちょうどアニメ化が決定したらしく、そう言う意味でも楽しく読めました。

レッド・データ・ガールってなんだろう? と思ったのですが、それはつまり、「絶滅危惧種の少女」のことでした。
なるほど主人公の女の子、鈴原泉水子(すずはらいずみこ)は、あらゆる意味で今の時代、絶滅危惧種の女の子。引っ込み思案で、今時ちょっと見かけないくらい長いおさげ頭をしている……。
しかしそんなことよりももっとずっとはるかに、泉水子には重大な秘密があって……?
父の友人の相楽雪政(さがらゆきまさ)が、自分の息子の深行(みゆき)を、下僕として紹介した頃から、泉水子の周りにはおかしなことが起こり始める……。

といったようなお話です。

正直、序盤は泉水子の引っ込み思案な性格に、結構読んでいていらいらさせられたのですが、雪政や深行が出てきたあたりから面白くなってきて、一気に読んでしまいました。なのでぜひ、第二章までは読んで欲しいです。
物語自体は、この一巻まるごと大きなプロローグと言った感じです。
泉水子の性格も少しずつ改善されていって、今後の成長が楽しみだったり、意外と正統派のボーイミーツガールだったりもしたので、二人の距離感がこれからどうなるかも注目していきたいです。

私のお気に入りは雪政と深行の親子ですね。泉水子もいいのですが、どうしてもちょっと煮え切らなくて、脇を固める二人のほうに魅力を感じちゃいます。
和宮くんはこれからも出てくるのでしょうか。
そのあたりも合わせて、ぜひ二巻まで読んでみたいと思いました。面白いです。日本の山の清浄な雰囲気が好きな方には特におすすめ。



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(2012年感想80冊目)

村山早紀 著 絵  
おすすめ度★★★★★(この世界観が本当に素晴らしい。)


「あなたの歌は魔法の歌。どれほど広い空を蛾の群れが埋めつくしていようとも、この空じゅうに、きっと響きわたるわ」(p365)

この本で村山早紀さんを知りました。
とにかく素敵な1冊。面白かったです!
クラスにとけ込めない女の子が、実は異世界の国の王女様で……、という、今でこそ王道の物語ですが、とにかく世界観が素晴らしいです。善神と邪神の対立。水晶の歌姫。魔術師。異世界の空気と空の色……。それらの人々や描写が鮮やかに心に浮かんでいきます。

私が好きなのは異世界で主人公の少女ナルを導いた歌姫、サーヤ・クリスタライア。いい人なんだけど、いい人で終わらない心の弱さや暗さがあって、とても好感が持てました。
異世界の魔術師なのに、現代社会のテレビゲームが好きなハヤミさんも素敵ですね。ユリアやサフィアも好き。
ただ、テレビゲームが比喩によく使われるのは、時代を感じます。
でも、今読んでも時代を超えて面白い一冊だと思います。読んでみるとほとんどの登場人物が女性なので、女の子向きのお話かも。物語が好きな全ての女の子は、きっと楽しめるお話だと思いました。

作者様本人が描いているという挿絵もまたとても雰囲気があって、素敵です。この挿絵に惹かれて読んだといってもいいくらいですね。

とにかく、美しい音楽が聞こえてくる青い空の下を一緒になって旅してるような気分になる作品です。
続編というか、数年後を描いたお話があるようなので、そちらも近く、読みたいと思います。
作者様の代表作かと思います。本当におすすめ。

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