(2012年感想117冊目)
三上延 著 越鳥はぐ イラスト
おすすめ度★★★☆☆(3・5位。さらりと読めて面白いです。)
「大輔くん……」
「えっ? な、なんですか?」
「……って、呼ばれてるんですよね。五浦さん」(p127)ベストセラー、ビブリア古書堂の事件手帖の二冊目です。
北鎌倉に店を構えるビブリア古書堂。店長の篠川栞子は、並外れた洞察力で、古書にまつわる謎を解き明かしていく……。といった内容となっています。
今回もさくっと読めました。
栞子さんが相変わらず、ちょっと黒いのがいいですね。そんな栞子さんと大輔の関係がまた、狙ってると分かっていてもにやにやさせられます。
この人たち何なんだろう! もうなんて言うかいい雰囲気すぎて、一巻以上に応援したくなってしまいました。(一巻の時は二人の間柄にそんなに興味なかったのに……。)
そんな二人のあいだに影を落とす、この巻通しての大きな謎は、栞子さんの母親にまつわる謎。
この母親っていうのが、栞子さんそのまんまなんだけど、栞子さんをもっとすごくしたような人で……、まだ片鱗しか見えていませんが、空恐ろしい人であります。
栞子さんがお母さんとの確執を乗り越えることができたとき、きっと物語も大きく動いて行くんだろうなあと思いました。
今回出てくる古書も、どれも読んでみたいと思わせるものばかりで、本に関する豆知識も含め、本好きとしてはやっぱり心惹かれる一冊となっています。脇役の皆様も素敵。今回背取り屋さんの出番が少なかったから、次巻はもうちょっと期待したいところです。
今回もあっさりと読めますが、巻を重ねるごとに、物語にも登場人物にも愛着を感じます。次の巻も読むぞ。
今回興味をそそられた一冊は、国枝史郎の「完本蔦葛木曽桟」ですね。いつか読んでみたいな。
今回は、有名な作家の本名とか別のペンネームとか、そういう感じが多かったのも印象的。次の巻がどう展開されていくのか、楽しみにしたいと思います。
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