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紅茶好きの管理人が読んだ読書の記録のためのブログ。ネタバレありですのでご注意ください。
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マユリ
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女性
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Since2010.11.26
総読書感想数 430

読書と音楽とゲームとおいしいものと人形をこよなく愛する多趣味な人間です。
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春期限定いちごタルト事件 (創元推理文庫)
春期限定いちごタルト事件 (創元推理文庫)
  • 発売元: 東京創元社
  • 発売日: 2004/12/18



(2012年感想98冊目)


米澤穂信 著 片山若子 表紙絵  
おすすめ度★★★★☆(小鳩君と小山内さんのコンビが癖になってきます。)

「一朝一夕には上手くいかないさ。すぐに完璧にやろうなんて、ぼくたち、ちょっと短気すぎたんだ。がんばろう。じっくりやっていこうよ」
諦念と儀礼的無関心を自分の中で育んで、そしていつか掴むんだ、あの小市民の星を。(p243)



米澤穂信さんの学園ミステリ、「小市民シリーズ」の第一巻。
「羊の着ぐるみ」「For your eyes only」「おいしいココアの作り方」「はらふくるるるわざ」「狐狼の心」の5編の短編を収録しています。
学園ミステリで、分類としては日常の謎系のミステリになります。連作短編で、各章ごとの謎はもちろん、全体を貫く謎が用意されてるのも嬉しいですね。こういうの好きです。
さて、主人公の小鳩常悟郎君と小山内ゆきさんは、過去のとある出来事から(この巻では明らかになっていません)目立たない小市民になろうという誓いを立てたぴかぴかの高校一年生。果たして、二人は小市民になれるのか!? というお話です。

最初は、読むスピードが遅かったのですが、さすが米澤さん、後半になるにつれて読むスピードが早くなり、最後は止まりませんでした。つまり、後半になればなるほど、面白かったです。小鳩くんの語り口も面白いし、ふたりの明らかにされない過去も気になるで、どんどん読み勧められます。最初は二人共なぜ小市民にこだわっているかがわからず、得体がしれなかったのですが。
キャラクターも魅力的で、氷菓もアニメ化されたし、次はこれもアニメ化されるんじゃないかなあと思える程に面白いシリーズでした。
小山内さんの本性はちょっと怖いけれども、小山内さんの過去も気になる。小鳩くんの昔を知る友人の堂島健吾もいいですね。彼がまっすぐ小鳩くんを昔のお前は嫌な奴だったが嫌いじゃなかった。と言ったシーンは印象的でした。
次の巻も気になるので、早速読書してみたいと思います。おすすめの一冊です。
美味しそうなお菓子とか洋菓子屋さんとかが出てくるので、読み終わったあとにケーキバイキングとかに行きたくなったのは秘密です。でも、表紙も題名も可愛らしくて、そんなところがお気に入りです。中身はそんなに可愛くないところがいいのですね。


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ビブリア古書堂の事件手帖―栞子さんと奇妙な客人たち (メディアワークス文庫)
ビブリア古書堂の事件手帖―栞子さんと奇妙な客人たち (メディアワークス文庫)
  • 発売元: アスキーメディアワークス
  • 発売日: 2011/03/25



(2012年感想95冊目)


三上延 著  越鳥はぐ イラスト
おすすめ度★★★★☆(個人的には可もなく不可もなくといったところ。でも続巻も読みたい。)


「わたしは、石段から突き落とされました。この二ヶ月、その犯人をずっと捜しているんです」(p216)

本屋大賞にもノミネートされた話題のラノベ、「ビブリア古書堂の事件手帖」
普段はあまり話題の本は読まないのですが、この本は図書館で半年待って借りてきました。今更感があるかもしれませんが、読めて良かったです。
何より、この表紙が素敵すぎます。

北鎌倉にひっそりと店を構えるビブリア古書堂。そこに本を持ち寄ったことがきっかけで、店員として働くことになった五浦大輔。店長の篠川栞子は、並外れた推理力で、奇妙な客たちと古書にまつわる謎を解き明かしていく……。
というようなお話。

個人的には可もなく不可もなくといったところなのですが、本に対する愛情と、丁寧に描かれる物語には好感を覚えます。大輔くんはあまり個性を感じさせない人物という感じで、一人称の物語としてはこれくらいがちょうどいいのかも。栞子さんは超内気な美少女ということで、キャラ造形的に狙いすぎてる感じに思えますが、所々に挟まる二人の微妙な距離感は、思わずにやりとさせられてしまいました。
いわゆる日常の謎系ミステリなのでしょうが、栞子さんは基本安楽椅子探偵だし、結構やり方が過激な部分もあるので、なんというか最終話では特に黒い印象を受けました。
というかこの話、短編集なのですが、どの話もなかなかにビターというかブラックで、そのあたりがラノベよりちょっと読者の幅を一般向けにしているように思います。

とにかく、栞子さんや大輔くんより、周りの人物の方が魅力的に見えてしまう作品でした。
ミステリとしても、どれも薄味かなあ。
とはいえ、出てくる古書はどれも読んでみたいなあと思わせる作品ばかりで、やっぱり本好きとしては引き込まれる作品でした。
特にお気に入りの話は、『論理学入門』と『落穂拾い・聖アンデルセン』でしょうか。坂口夫婦はよかったです。
次回作も読んでみたい一冊です。

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謎解きはディナーのあとで
謎解きはディナーのあとで
  • 発売元: 小学館
  • 価格: ¥ 1,575
  • 発売日: 2010/09/02

(2012年感想69冊目)

東川篤哉 著    
おすすめ度★★★☆☆(可もなく不可もなくという感じ。嫌いではないです)
 
「あなた、たいした推理力だけど、いったい何者? なぜ執事なんかやってるの?」
すると執事影山は、銀縁眼鏡を軽く持ち上げ、いたって真面目な顔でこう答えた。
「本当はプロの野球選手か、プロの探偵になりたかったのでございます」(P40)

ちょっと前に話題になった言わずもがなの本です。図書館で予約したら、10か月待ってやっと手元に回ってきました。
今どきのお嬢様刑事と毒舌執事が解決する6つの短編ミステリです。

話題の本は賛否両論でめったに読まないのですが、別段悪くないんじゃないかなー、というのが感想です。短編だからかいきなり事件から入るとか、殺されるのは1事件一人とか、ミステリ好きには物足りないけれど、普段ミステリを読まない人にはいいのかも?
細かいミステリのお約束事は守っているし、非常にオーソドックスなミステリだと思うので、そこは楽しめました。
事件自体は簡単なので、一緒に犯人を考えて楽しめるのもいいところかも。まあ、簡単すぎる事件なので、あまり印象に残ったお話がないのも事実なのですが……。

ただ、欲を言えばもっと事件以外の部分が読みたかったかな……、という印象であります。
影山も言われるほど毒舌じゃないですし。麗子はお嬢様にしてはちょっと軽すぎるので、キャラの書き込み不足というか、薄いな……、と感じることは多々ありました。
あと、連作短編の中で、キャラクターの関係とかが変わらずじまいなのも残念かも。影山と麗子の関係はもっと発展してもいいような気がするんだけど、どうなんだろう。まあ、恋愛要素が出てきたらちょっと面倒くさそうなので、今のままの距離感がいいのかもしれませんが……。

何はともあれ、非常にキャッチーなお話で、気軽に読めるのは悪くないと思います。まあ、ただこれにお金を出したいかと言われると微妙かなという気もします。でも、続編を読んでみてもいいかな、と思う程度には、悪くない作品だと思いました。

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修道士カドフェルの出現 (現代教養文庫)
  • 発売元: 社会思想社
  • 発売日: 1997/03

(2012年感想60冊目。)
 
原題 A Rare Benedictine
エリス・ピーターズ 著 岡本浜江 岡達子 大出健 訳
おすすめ度★★★★★(カドフェルは初めて読みましたが、すっかり虜です)

いや、どの道を通ろうと、行く手に目印の光など見えはしない。この世は広くて美しく、興味は尽きないが、道しるべなど、どこにもありはしないのだ。(p18)


エリス・ピーターズの修道士カドフェルシリーズの短編集。
「ウッドストックへの道」「光の価値」「目撃者」の3つの短編を収録しています。

カドフェルはずっと前から興味があったのですが、読むのは初めて。とっつきやすそうという理由で、いきなり最後に訳出された短編集から読んだのははたしてよかったのか悪かったのか!? 初めて読むのですが、(個人的には)短編集から読んで正解だったかも。長編を読んだことはありませんが、短編集にもカドフェルのエッセンスが詰まっているように感じました。

特にこの短編集は、カドフェルが修道士への門をたたいた理由からじっくり読むことができて、非常に満足です。三つの短編の中で、やはり印象的なのは最初に収録されている「ウッドストックへの道」でしょう。40歳を迎え、人生の岐路に立たされたカドフェルのまとう黄昏のような雰囲気が何とも魅力的です。それでいて、事件はなんとも後味がいいというか、優しい幕切れというか、余韻を持たせています。

カドフェルの探偵としてのスタンスは、だれに対しても公平なところが、魅力であるのでしょうね。そんなカドフェルに、すっかり夢中になりながら読んでしまいました。
修道士になり、薬草園を任されたカドフェル。そんな彼がかかわる事件にもたらすものは、カドフェルのような老境の人間だから導き出される、優しさなのですよね。

12世紀のイギリスの雰囲気も、本当によく伝わってきて素晴らしかったです。修道士たちの暮らしぷりなどを読んでると、読者も修道院で暮らしているような何とも言えない味わいがあります。この本を読みながら、夕べの祈りが聞こえてくるような、そんな気分になりました。長編も折を見て読んでいこうと思います。
カドフェル、好きです。

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死神の追跡者 (トム・マーロウの奇妙な事件簿)
死神の追跡者 (トム・マーロウの奇妙な事件簿)
  • 発売元: ポプラ社
  • 価格: ¥ 1,554
  • 発売日: 2011/11/09


原題 Death and the Arrow
クリス・プリーストリー 著 堀川志野舞 訳 佐竹美保 絵
おすすめ度★★★★☆(18世紀ロンドンの雰囲気が素敵です)

「いやだ!」トムはさけんだ。「ここでやめるなんていやだ。ウィルの身になにが起きたのか、どうしても知りたいんです。ウィルの人生をこのまま忘れさせたりはしない。博士にも、父さんにも、だれにもぼくをとめられやしない!」(p180)

トム・マーロウの奇妙な事件簿の1冊目。
図書館で表紙の素敵さにやられて借りてきてしまいました。この絵、佐竹さんですね。佐竹さんのイラスト、好きです。

舞台は1715年のロンドン。活気にあふれるこの街で、一つの奇怪な殺人事件が起こります。
親友を殺人犯に殺されたトム少年は、殺人犯を突き止めるため、独自に調査を開始するが……。
というようなお話です。

これはなかなか面白かった!
まず、18世紀ロンドンの描写がいいです。ホームズ以前のこの町に関する知識は乏しいのですが、当時の街並みが活き活きと描かれて、とても好感が持てました。

そこで暮らす人々も素敵です。出てくるキャラクターがみんな素敵で、主役のトムの影がかすんでしまいそう。特に博士とオーシャンが素敵です。「私には剣がある!」は素敵なセリフだと思いました。

冒険ミステリーとしても読めるだけじゃなく、トムの成長の様子も描かれていて、なかなかそれが爽やかでいいのです。いつか博士と一緒に冒険に出てくれたらいいなあ……。

ミステリ部分がちょっと薄いので、やっぱり冒険ミステリとして読むのがいいかな。

なにはともあれ、予想以上に楽しめた1冊。佐竹さんのイラストもふんだんに入っているのがうれしいです。
全三部予定で、今後も順調に刊行されるとのこと。

続きも読んでみたいと思います。
おすすめ。

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