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紅茶好きの管理人が読んだ読書の記録のためのブログ。ネタバレありですのでご注意ください。
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Since2010.11.26
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読書と音楽とゲームとおいしいものと人形をこよなく愛する多趣味な人間です。
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双子の星 (宮沢賢治絵童話集)
双子の星 (宮沢賢治絵童話集)
  • 発売元: くもん出版
  • 価格: ¥ 2,039
  • 発売日: 1993/08

宮沢賢治 作 ユノセイイチ 牧野鈴子 絵
お勧め度★★★★☆(とにかく絵が美しいです)

『クラムボンはわらったよ。』
『クラムボンはかぷかぷわらったよ。』
『クラムボンは跳ねてわらったよ。』
『クラムボンはかぷかぷわらったよ。』

だいぶ以前に友人から借りて返せずじまいになっている1冊(いつか返さなきゃ……)
昨日テレビで銀河鉄道の夜を取り扱っていたので、本当に久しぶりに賢治を読みました。学校の授業以外で賢治をよんだのはじめてかもなあ……。

この本には「やまなし」「双子の星」「おきなぐさ」「祭りの晩」の四編を収録。
なかなかに大きなサイズのしっかりとした1冊で、非力な私には読むのが非常に疲れた1冊でもありました。この重さははたして子供向けなのか??
読むなら、お母さんと一緒に読んだほうがいいのかも……、なんて思ってしまいました。

賢治の文章は、とにかく心が洗われるような美しさがありますね!「対」や「無邪気」「想像力」「希望」と言った言葉が、賢治の文章を読んでいてまず思い浮かぶ言葉です。

私のお気に入りは「やまなし」「祭りの晩」かなあ。「双子の星」は何度も読まないと良さがわからない気がする。

あと、この本は挿絵が美しいのも魅力。このシリーズはいろいろな挿絵を描いている人がいますが、この本の挿絵はとてもきれいで、大人が読んでも魅力を感じる1冊になっています。

なにより本の重さと大きさに負けたので読むのが疲れますが、賢治の魅力が改めて伝わる1冊でした。

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妖精の騎士タム・リン
妖精の騎士タム・リン
  • 発売元: 小学館
  • 価格: ¥ 1,575
  • 発売日: 2005/07

原題 Tam Lin
スーザン・クーパー 再話 ウォリック・ハットン 絵 森丘道 訳
お勧め度★★★★☆(4・5くらい。色彩が美しい薫り高い妖精譚です)

「なぜ、バラをつむのだ、マーガレット。わたしの許しもなしに」
(中略)
「カーターヘイズの森はスコットランド王の領地、そしてわたしは王の娘。行きたいところに行き、したいことをするのに、だれの許しもいらない。むろん、バラをつむことにも」

スコットランドのバラッドを、イギリスの風土や妖精学に詳しいスーザン・クーパーが再話して、八ットンが絵をつけて絵本にしたもの。
タム・リンのバラッドは初めて読みましたが、クーパーの再話したものはとにかく美しい色彩と鮮やかな場面描写にあふれた、とても素敵なものに仕上がっています。

スコットランドの王女だったマーガレットは、貴族の娘らしくおとなしく刺繍をし、男の人が結婚を申し込んでくれるのをただ待つだけの毎日にうんざりしていました。そして城を飛び出し、カーターヘイズの森に駆けてゆくのです。

美しい文章に、どこかほんわりとした画風のハットンの絵が、よりイメージを喚起させるような素晴らしいものに仕上げています。

お話の内容も、非常に童話的というか民話的。いつかタム・リンの話をもう少し読んでみたいな。

そして何より、女の子のお姫様が男の子の王子様を助ける為に頑張るという話の構図がすごく好みで、大好きです。
気丈なマーガレットの性格もよくあらわれていて、良いですね。

いろいろな色彩が出てきますが、マーガレットが森で摘むバラの赤色と、タム・リンが差し出すリンゴの赤色がとても印象的。
まだ心はカーターヘイズの森の中や夏至祭の上を漂っているような、そんな余韻のある素敵な1冊です。
おすすめ。

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満月の夜の伝説
  • 発売元: 岩波書店
  • 発売日: 1994/12/09

原題 Die Vollmondlegende
ミヒャエル・エンデ 文 ビネッテ・シュレーダー 絵 佐藤真理子 訳
お勧め度★★★★☆(4・5位。とにかく絵がいいです!)

「恥ずかしいんだよ」
「何だって」と、盗賊はあきれて聞き返した。
「お前の魂を救ってやろうなどと、思い上がっていた。だが逆に、お前がわたしの魂を救ってくれた。ずっと前に見た夢の約束は果たされたのだ。期待していたのとはまるで違っていたが。お前によってな。わかるまい」

エンデの絵本。というかもとは小説で、夫人の佐藤真理子さんの訳で1989年7月11日から7月13日まで、朝日新聞で連載されました。これはそれにシュレーダーが絵を入れたもの。
とにかく絵本にしてはビッグサイズです。持って帰るのも一苦労。しかしその分、エンデとシュレーダーという鉄板な組み合わせの作家二人によるコンボを充分に堪能できる1冊です。
シュレーダーの絵、本当に素敵ですね!

エンデの文章は、神は~、というような哲学的、神学的な内容や、悪人や善人、聖なるもの、邪悪な者などと言ったインド的な説話を思い出させるような、ちょっと難しい感じのお話です。
何というか、まさしく大人の絵本って感じですね。

隠者(聖人)と盗賊(悪人)という二人の対極的な男が、師弟になり、魂の救いを求める。
しかし、聖者にしか見えない世界があるように、悪人にしか見えないものもある。そうして、悪人が聖者を救うこともある……。と言ったようなお話の筋が、個人的には非常にお気に入りなのです。

エンデのお話は久しぶりに読んだのですが、奥が深くてお気に入り。他の作品も読み返したくなりました。

お勧めの1冊です。

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花むすめのうた
花むすめのうた
  • 発売元: ほるぷ出版
  • 発売日: 1984/07

原題 Pohadka o kvetusce a jeji zahradce
フランチェシク・フルビーン 作 イジー・トゥルンカ 絵 千野栄一 訳
お勧め度★★★★☆(4・5位。とにかく絵がいいです)

庭は なみだをうかべると 花をのぞきこんだ。
そこには だれがいたとおもう?
小さな女の子が すわっていたんだ。
花からうまれた 花むすめだよ。

チェコの絵本作家、トゥルンカの挿絵によるチェコの絵本。チェコってクリエイター的には穴場で、本当に良質の物をたくさん作っている国ですよね!
この絵本も、トゥルンカの挿絵が本当に素敵です。

絵本としてはなかなか大きなサイズで、ボリュームもあります。でも、題名通り歌うように訳されているので、読むのは苦ではなく、むしろ楽しく読めるはず。

内容はハラハラドキドキしてしまった……、というか結構理不尽な展開でしたが、最後はハッピーエンドで、余韻のある終わり方で良かったです。

文章も挿絵も本当にきれい。このトゥルンカの絵のタッチ、たまらなく好みです。
本のサイズも大きいので、絵も大きく載せられているのが魅力。

翻訳の文章もきれいなので、声に出して読んであげたい絵本ですね。
とにかく、この独特の絵が本当に本当に素敵です。
チェコの言葉はさっぱりなので、原題がどういう意味なのかはわかりませんが、花むすめのうたという邦題も素敵です。
トゥルンカさんは、結構有名なクリエイターのようで、さまざまな活動を展開していたようです。
これから、ちょっといろいろ探してみようかな、などとそんな風に思った1冊でした。
お勧めです。

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シャロットの姫
シャロットの姫
  • 発売元: バベルプレス
  • 価格: ¥ 1,365
  • 発売日: 2009/10

原題 The Lady of Shalott
アルフレッド・テニスン 詩 ジュヌヴィエーヴ・コテ 絵 長井芳子 訳
お勧め度★★★★☆(ゆっくりと余韻がしみわたるような一冊です)

一人ランスロットは、しばし佇みじっと見入る
「何と美しいお顔立ち
神よ、亡き姫に恵みを与えたまえ
シャロットの姫君に」

アーサー王伝説に材をとった、アルフレッド・テニスンの有名な詩を、気鋭の画家ジュヌヴィエーヴ・コテが絵を描いたもの。

なかなか、スルメなタイプの一冊だと思いました。何度も何度も読み返して、この本に込められたメッセージや遊び心、象徴性や優しさ、希望に気づく……、と言ったような。
全体的にコテの画風は派手さはないのですが、心にしみわたるようなぬくもりがあってそこがまたなんとも言い難くいいのです。

また、この絵本の中で、コテは蝶のイメージを随所に使うことで、新しい解釈をこの詩に投げかけたと思います。
アーサー王時代の農夫がサングラスをかけた絵で描かれているあたりの遊び心も、いいなあと思いますね。

翻訳は、一つの物語として違和感なくリズムよく読めるものへと仕上がっています。詩の翻訳は美しいですが難解な物が多いので、物語の内容をかみしめたい人には向いてるのかなあ、と思います。
ただ、美しい翻訳であるとは行かないような気もしますけれど。でも、テニスンの持つ詩の抒情性はよくあらわれた翻訳になっていると思います。

何より、この絵本を読んだ後の、胸が少し暖かくなるような、希望が灯るような、そんな読後感がたまらないです。最後シャロットの姫が蝶になって跳びあがっていく時の絵が、一番美しく心を打ちます。
本当に、心に響く絵本だと思います。

気になっている方は、読んでみてはいかがでしょうか?
お勧めの1冊です。

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