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紅茶好きの管理人が読んだ読書の記録のためのブログ。ネタバレありですのでご注意ください。
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妖精の騎士タム・リン
妖精の騎士タム・リン
  • 発売元: 小学館
  • 価格: ¥ 1,575
  • 発売日: 2005/07

原題 Tam Lin
スーザン・クーパー 再話 ウォリック・ハットン 絵 森丘道 訳
お勧め度★★★★☆(4・5くらい。色彩が美しい薫り高い妖精譚です)

「なぜ、バラをつむのだ、マーガレット。わたしの許しもなしに」
(中略)
「カーターヘイズの森はスコットランド王の領地、そしてわたしは王の娘。行きたいところに行き、したいことをするのに、だれの許しもいらない。むろん、バラをつむことにも」

スコットランドのバラッドを、イギリスの風土や妖精学に詳しいスーザン・クーパーが再話して、八ットンが絵をつけて絵本にしたもの。
タム・リンのバラッドは初めて読みましたが、クーパーの再話したものはとにかく美しい色彩と鮮やかな場面描写にあふれた、とても素敵なものに仕上がっています。

スコットランドの王女だったマーガレットは、貴族の娘らしくおとなしく刺繍をし、男の人が結婚を申し込んでくれるのをただ待つだけの毎日にうんざりしていました。そして城を飛び出し、カーターヘイズの森に駆けてゆくのです。

美しい文章に、どこかほんわりとした画風のハットンの絵が、よりイメージを喚起させるような素晴らしいものに仕上げています。

お話の内容も、非常に童話的というか民話的。いつかタム・リンの話をもう少し読んでみたいな。

そして何より、女の子のお姫様が男の子の王子様を助ける為に頑張るという話の構図がすごく好みで、大好きです。
気丈なマーガレットの性格もよくあらわれていて、良いですね。

いろいろな色彩が出てきますが、マーガレットが森で摘むバラの赤色と、タム・リンが差し出すリンゴの赤色がとても印象的。
まだ心はカーターヘイズの森の中や夏至祭の上を漂っているような、そんな余韻のある素敵な1冊です。
おすすめ。

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