(2012年感想68冊目)
藤原祐 著 kaya8 イラスト
おすすめ度★★★★☆(今までの中で一番おもしろいかも?)
「また殺し合いましょう? 兄さん。今度はもっと凄惨に、もっと残酷に、もっと楽しく」(p52)
藤原祐さんの煉獄姫第4巻。
読み終わってから感想書くまでだいぶ間が空いてしまいましたが、なかなか面白くなってまいりました。
悳国王子ディードが暗殺され、機を同じくして榮国の要人たちも誘拐されていく……。フォグとアルトは事件の護衛にあたるが……?? といったようなお話。
悪役のユヴィオール側に募った人たちも、それぞれ信念や内に抱える狂気などがあり、ただ単純な悪役と済ませていないところが読んでいて胸が熱くなります。私が気になるのはニーナ嬢ですね。レイドは格好良く目が離せません。というかユヴィオールは、それが策略とわかっていても色男過ぎて、なかなかにやにやが止まらないです。ユヴィオールのこういう性格、好きなんですよね。
一方のフォグたちも、前回の敗戦をきっかけに、いっそうの戦力増加をはかり……。本当、どちらの勢力にも肩入れしたくなってしまう面白さがあります。今回気になったのはデーンさんとニーナ嬢かな。あと、キリエとアルトもかわいい。最初はあまり人間味が感じられなかった登場人物たちが、それぞれ徐々に成長して、人間味が出てくるところがたまらないです。アルトなんて、なんていい子になったんだろう。きっとこの個人のささやかな成長の先にあるものが、煉獄姫の終着点にあるものなのかな、と思ったりしました。
ユヴィオールの目的はなんなのか? ローレンの4人目の雛は?など、気になることがいっぱいです。これまでの4冊の中でも、おもしろい一冊だったと思います。次で刊行分に追いつくので、一気に読みたいと思います。 おすすめ。
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