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紅茶好きの管理人が読んだ読書の記録のためのブログ。ネタバレありですのでご注意ください。
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マユリ
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女性
自己紹介:
Since2010.11.26
総読書感想数 430

読書と音楽とゲームとおいしいものと人形をこよなく愛する多趣味な人間です。
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(2013年読書感想68冊目)


汐原由里子 著 六芦かえで イラスト
おすすめ度★★★★☆(好きな雰囲気のお話だった! これからにも期待です)


「あなたにどんな事情があるのかはわからない。でも、自分を隠して偽って暮らしていたら、いつか本当の気持ちがわからなくなってしまうわよ。私、レオンがそんなふうになってしまったら……嫌だわ」(p113) 


2013年度のコバルトロマン大賞を受賞した新人作家、汐原由里子さんのデビュー作。
9月刊のコバルトの乙女ちっく通信で題名を見た時から、気になって仕方なかった作品です。だって、冷たくて熱い妖精ものですよ! これは個人的に読むしかないです。
結果、想像していたお話(パラノーマルロマンス?)とはちょっと違かったけれども、十分に好きなお話だし、読んでよかったと思える作品でした。

物語の舞台は妖精伝説が多く残るフランス。ヴィエーヌ座のヴィオラニストを兄に持つ少女マリエルは、座のパトロンであるラヴァル男爵に言い寄られていた。
ある時、妖精の住むという乙女の湖のある、リュジニャン伯爵家の敷地内に行くと、なぜか女装した男の人が倒れていて…!? その男性、女泣かせで有名な「氷の貴公子」の異名をとる、リュジニャン伯爵家のレオンだった…。

というお話かな。

何より私がこの作家さんで好きになったのは、文章の美しさです。色彩の表現とお菓子とお洋服の描写がきれいで…! うっとりします。
明るく元気なマリエルや、冷たくも優しいレオンといった主役二人はもちろん、マリエルの兄アランや、マリエルに横恋慕する嫌な性格のラヴァル男爵など、脇役も魅力的でした。特にラヴァル男爵は私の大好きな小物具合で! たまらなかったです。

フランスの伝承(妖精物語や湖の騎士ランスロットやイスの都など)を物語にうまく取り入れ、全体的にファンタジックな雰囲気が味付けされていて、それも好みでした。
ページ数自体はどちらかというと少ないのですが、マリエルとレオンのすれ違いの様子など、丁寧に書かれた物語は、十分な満足感がありました。
とにかく、良質な小説を書く作家さんだなあと思いました。この作家さんの作風、好きです。
これからもぜひこういったファンタジー的な小説を書いていってほしいものです。
残念なのは挿絵がちょっと少なく感じたことかな。格好いいというラヴァル男爵の挿絵もぜひ見たかったのに……。

美しい文章で紡がれる妖精ロマンスに興味のある方は、ぜひ一読してみてはいかがでしょうか? おすすめです。

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おこぼれ姫と円卓の騎士 皇帝の誕生 (ビーズログ文庫)
おこぼれ姫と円卓の騎士 皇帝の誕生 (ビーズログ文庫)
  • 発売元: エンターブレイン
  • 発売日: 2013/09/14





(2013年感想58冊目)


石田リンネ 著  起家一子 イラスト 

おすすめ度★★★★☆(キルフ帝国編完結! 面白かったです。)


――わたくし、ずっと貴方のことを考えている。(p253)


今わたしが大好きな少女小説の一つでもる、「おこぼれ姫と円卓の騎士」シリーズの7冊目。キルフ帝国編完結です。
新刊、待ってました! 前巻が気になるところで終わっていたので、もう悶々としていましたよ!
今回も表紙が華やかですねー。でも不穏な感じの漂う表紙です。

今回、表紙のとおりレティが拘束されて動けないというピンチな状況に陥ります。
レティの意思を汲み、なんとか状況を打開しようと動くデュークとアストリッドの二人が、なんとも頼もしかったです。ふたりのやり取りがもう面白くて、やっぱりこのシリーズ面白いなあと思いました。主役のレティが動けない状況でもこんなに面白いのは、ほかのキャラクターもすごく魅力的ってことですよね。

キルフ帝国の皇帝と言えば、やっぱりというかあの人に。
個人的にはアナスタシア姫とヴィクトル王子の二人が好きだったので、アナスタシア姫には女性としての幸せを掴んで欲しかったとも思いますが、そういうわけにもいかないよね。
ヴィクトル王子といえばこの巻のヴィクトル王子は最高でした! この人大好きです!

でも、それ以上に身悶えたのは、最後のレティとデュークですよ! 少女小説らしさがあまりなかった二人も、これでちょっと進展があるのでしょうか。個人的には今のままの関係もものすごく美味しいのですが、これは次の巻が読みたくて仕方ありません。どう展開するのか楽しみすぎます。

次の巻といえば、次はソルヴェールに戻るのでしょうか。兄上様たちや弟殿下が少し恋しいので、次は兄弟のやり取りをたくさんみたいな、って思います。

それにしても、デュークもアストリッドも本当にいい騎士ですね。これからはどんな騎士が登場するのか、そのあたりも含めて、やっぱりとても楽しみなシリーズです。

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(2013年感想55冊目)


白川紺子 著 宵マチ イラスト

おすすめ度★★★★☆(4・5位。面白かったです。今最も好きな少女小説のひとつ!)


「ねえ、行きましょうよ。手を離して」
「キスしてくれたら離すよ」
「ジェレミー……」(p89)


コバルト文庫の少女小説作家、白川紺子さんのヴィクトリアン・ロマンティック・ファンタジー小説第二巻。
無事シリーズ化が決まり、とっても嬉しかったです。またクレアやジェレミーやセドリックに会えるなんて!
愛する人を呪い殺すという宝石、レディ・アン・ジュエルを家宝とするマーチ伯爵家の次期当主クレアは、その呪いを解く方法を探すためにロンドンヘ。しかし、様々な思惑に絡まれ、事件へと巻き込まれていく……。
といったお話かな。

今回持ち込まれた呪いの宝石はエメラルド。いいですね。
シリーズ化が決まり、クレアを取り巻く環境が一気に広がったように感じたられたのがよかったです。
今回新しく、女性陣がたくさん出てきたのがすごくよかった! 四姉妹もコーダー嬢も、これからもクレアと仲良くして欲しいです。
そしてなによりこの巻は、相変わらずの毒舌っぷりを発揮するクレアの兄セドリックと、ジェレミーの兄バートがよかったです! 特にバート! いいお兄ちゃんじゃないですか。
この小説はヒロインとヒーローの関係だけじゃなく、周囲の人物の関係も丁寧に書いているのが好感です。
文章自体も丁寧で読みやすく、美しいです。何より、ドレスや食べ物の描写がうっとりするくらい素敵!
ロマンス、ジュエリー、ドレス、スイーツと、女性の夢が丁寧に描かれている、本当に素敵なシリーズです。

男性キャラが多く、それぞれに魅力的な本作ですが、私はやっぱりヒーローのジェレミーが好き! クレアを一途に想うその様子が、格好いいというよりはたまらなく可愛らしいです。
今年読んだ少女小説の中でも、トップ5には入る良書です。これからも読んでいきたいので、続いていってくれるといいな。

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霧の日にはラノンが視える (1) (ウィングス文庫)
霧の日にはラノンが視える (1) (ウィングス文庫)
  • 発売元: 新書館
  • 発売日: 2003/07/01



(2013年感想43冊目)


縞田理理 著 ねぎしきょうこ イラスト

おすすめ度★★★★★(題名良しキャラ良し雰囲気良しの素敵な一冊。)


「ラムジー。人は強いから弱いの。あの人がちゃんと笑えるようになるまで、お前がしっかり側についていてあげなくちゃ。たとえ自分には何も出来ないと思ってもよ」(p271)


クリップフォード村で生まれた七番目の子供には呪いがかかっているというーー。
その呪いを解くために単身ロンドンに家出したラムジー少年は、不良に絡まれていたところを、ジャックという青年に助けられる。そのジャック、仲間と思しき男からは「王子」と呼ばれ、心を閉ざしたままの美しい人、カディルを連れていた……。

というあらすじ。
表題作、「霧の日にはラノンが視える」ほか「晴れた日は魔法日和」を収録した縞田理理先生のデヴュー文庫です。
なによりこのあらすじ、タイトル、表紙絵、そうして妖精物らしいという全てに惹かれて手にとった1冊です。こういうお話本当に好きなんですよね。

読んでみた結果、期待を裏切らないとっても素敵な作品でした。皆妖精界であるラノンからの追放者で、犯罪者であるにもかかわらず、悪い人はほとんど出てこないし、主役のラムジーはいい子だし、読んだあとにはそれこそ霧が晴れたような爽やかな気分になれるお話でした。

何より、キャラクターが本当にいいのです。わたしは特にジャックが好き! 王子にしては平凡なその名前も、ジャック・フロストから取られたと言われればうなずけます。ジャックが、霜の王子様なんですが、その割にはなかなかあたたかい王子様でとってもいいのです。ジャックもレノックスも、いい子なラムジーにいい人と言われても仕方ない世話焼きっぷりが素敵です。しかし自分、本当にこういうお話好きだなあと痛感した1冊。そして、ジャックみたいなキャラに弱いですね……。

ちょっと詰め込みすぎなところもあるけれど、その分作者様の愛が感じられるし、本当に素敵な話だなと思います。
あと、女の子キャラが極端に少ないのも、今後に期待という感じかなあ。唯一の女の子キャラ、アグネスはとっても可愛かったのですが。
続編もあるようなので、追っていきたいと思います。
タイトルに少しでも心惹かれるロー・ファンタジー好きの方は、ぜひ手にとってみて欲しい一冊。
いいお話なのに、知名度はちょっと低いかなと思うので、もっと読まれるといいなあと感じた作品です。

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(2013年感想41冊目)


青木祐子 著 あき 絵

おすすめ度★★★★★(面白かった! これからの期待を込めて、★5つです。)


シャーロックがクリスを見る。ふたりの目があった。シャーロックもふと笑った。
そしてそのとき、ふたりはまったく同じことを思ったのだった。
目の前のこの人は、なんと美しい人なのだろうかーーと。(p225)



読書メーターのお気に入りさんのお気に入りのシリーズということで、前々から気になっていたシリーズを読書です。
ロンドン郊外にある仕立屋、「薔薇色」は着る人の恋を叶えるという不思議なドレスを作るお店。
ある日、ハクニール公爵家の子息シャーロックが、足の不自由な妹のためにドレスを仕立てて欲しいと頼みにやってきて……??

ああ、これはこの先が楽しみな一冊です! 長いシリーズの最初の1冊なのですが、身分違いの二人の恋に既にドキドキとしてしまいます。
ドレスや、ちょっとだけ出てくる食べ物の描写も綺麗です。青木先生は、優しい、美しい文体を書かれますね。

何より、クリスもシャーリーもパメラも、フローレンスもアンディも、多彩な登場人物がみんな素敵で、特に最初の三人は、これからを応援したくなってしまう魅力に溢れています。
なんというか、どの登場人物も行く末が気になるし、応援したくなってしまいます。
クリスは地味な女の子かもしれないけど、もう本当に可愛くてかわいくて…!
シャーロックは、実はいい人みたいな感じで、とっても好感が持てます。
ちょっと構成がイマイチかな?(盛り上がりに欠ける)とも思うのですが、最後の最後、二人の恋が始まった一文を見て全て持ってかれました。

関係ないですが、ヴィクトリア朝でシャーロックというとホームズを思い出すわたし。シャーロックという名前はこの時代ではとても珍しい名前なのだそうです。でも、いい名前ですよね。
クリスティンはキリスト教徒を意味する名前で、パメラは「蜜のように甘い」だったかな?
なんだか久しぶりに、名前マニアの血が騒いだ、そんな本でした。
この1冊だけで多くの登場人物が出てくるシリーズですが、本当、まだ見ぬ皆様も含め、みんなに幸せになって欲しいシリーズです。
ドレスは着る人の心を映す。いい言葉ですね。
闇のドレスという言葉にも惹かれました。クリスの付けるドレスの名前たちも素敵です。
本当、衣装はその着る人の心を映すように思います。
クリスもシャーリーもパメラも、恋を知りこれからさらにどんどん綺麗になっていくといいなー。
文章も読みやすかったですし、フローレンスは可愛かったし、何気にアイリスは好みだし、これからが楽しみなシリーズです。読んでよかった! と思えるシリーズ。
このままコバルトのヴィクトリア朝のものにはまっていきそうな最近です。
長いシリーズなので手を出しにくいかもしれませんが、女の子らしい、まさしく少女小説な1冊。お勧めです。
昨年完結したらしいので、一気に読みたいと思います!

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