(2013年感想49冊目)
佐々木禎子 著 栄太 表紙絵
おすすめ度★★★☆☆(3・5くらい。ちょっと期待と違いましたが面白かったです。)
家出だ。
行く当ては、ひとつ。(p57)
ばんぱいやのパフェ屋さん。
この題名を見たとき、つまり真夜中のパン屋さんならぬ真夜中のパフェ屋さんですか!? と戦慄し、しかしとても興味を持って読んだ1冊です。
札幌の虚弱体質の中学生、高萩音斗(たかはぎおと)は、虚弱体質を克服するために、隠れ里に住むという母方の遠い親戚に助けを求めます。
そうしてやってきた、3人の美青年。
実は彼ら、吸血鬼の末裔で!?
というお話。
総体的に見て、面白かったし、読んでよかったと感じる作品でした。でも、いろいろ惜しいなあと思えてしまう本でもありました。
まず、題名にもなっているパフェ屋さんがあまり登場しなかったのが残念で仕方ないです。美味しそうなパフェの描写とかも期待したのですが、こちらもあまりなくて残念。
パフェ屋に訪れた人が抱える事件を解決するというよりも、パフェ屋を拠点に札幌市内で起こった事件を解決するという感じです。私が期待してたお話とは、ちょっと違いました。
でも、斬新な設定は面白かったし、キャラクターも魅力的です。
ハル、ナツ、フユという三人の美青年はキャラが立ってるし、主役の音斗君は魅力的。
それにところどころ突き刺さるようなセリフや描写もあって、続編が出るなら読んでみたいなあと思わせる作品になっています。
吸血鬼なのに血を吸うことを野蛮な行為と思っていて、乳製品を血の代わりにしているとか、そういった少しずらした設定は、大変好みでした。
思うところは多々ありますが、色々な未消化な部分も残っているし、続編があれば読んでみたいなあと思います。
そんな作品でした。
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