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紅茶好きの管理人が読んだ読書の記録のためのブログ。ネタバレありですのでご注意ください。
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マユリ
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女性
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Since2010.11.26
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読書と音楽とゲームとおいしいものと人形をこよなく愛する多趣味な人間です。
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神の子羊〈3〉
  • 発売元: 光風社出版
  • 発売日: 1994/04

のりす・はーぜ 著 竹宮恵子 イラスト
お勧め度★★★☆☆(面白いんだけど、納得できない)

(アイシテル……)
微かに動いたマシュウの唇を、アンリは生涯忘れまい、と心に誓う。
(愛してる。あいしてる。アイシテル……)

「神の子羊」3作目。最終巻です。
前の二作は純粋に面白いなー、と感じることができたけど、正直この巻は微妙……、というか、シリーズ通して見ると微妙……、という感じがぬぐえない。

それは、シリーズ通して、いったい何が描きたいのかわからない、という一点に尽きるのですが。
一巻目はセルジュの生涯を追う話だったのに、2巻目はアンリとフランの話にシフトし始め、3巻目はアンリとマシュウの少年愛ものになる……。

単体で読めばそれなりに面白いのですが、この3巻はなんか悪趣味な登場人物や描写が目立ってしまって、正直ちょっと不愉快だった。(少年を痛めつける趣味の異常な同性愛者しか出てこないんだもの……)

物語の結末も微妙。セルジュの過去は丸投げだし、マシュウは結局変質的なパトロンに薬中にされてぼろぼろになって、しかもとってつけたようにジルベールの血筋とか言われても、「何この風木の劣化版?」とかしか思えなかった。

マシュウは正直良い人すぎて死んだのが悲しいし、そもそも風木がああだったから、アンリとマシュウには幸せになってほしかった。それなのに結局女の子とくっつけてハッピー・エンドにするあたり、「つまり作者さんはフランが描きたかっただけでしょう?」とか思ってしまう。

話に一貫性がないし(そもそもマシュウはそれならもっと早く登場させるべきだったと思う)、悪趣味に風木をなぞっているだけだったという印象です。

面白かったは面白かったけど、なんか納得できないものが残ってしまった。
個人的には、なんとも残念な一冊でした。

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神の子羊〈2〉
  • 発売元: 光風社出版
  • 発売日: 1993/02

のりす・はーぜ 著 竹宮恵子 イラスト
お勧め度★★★★☆(風木の続編としてみて、一つの小説としてきちんと楽しめる一冊です)

「そこでジルベールに会わせてあげる」
「え?」
アンリが怪訝そうにマシュウを見た。
「今、なんて言ったの?」

「風と木の歌」の続編の小説、「神の子羊」の2冊目。

この巻は、セルジュやその他の人のその後の消息が気になる人には物足りないかもしれません。
主にずっと、アンリとかフランのお話です。

突然、パドゥール家の子爵位を継ぐことになったアンリ。今回はその華やかでどろどろした上流階級の話とかがほとんどです。
でも、丁寧に書かれた小説ではあると思うので、読んでいて充分に楽しめます。
新キャラもいろいろ登場して、続きも楽しみ。
特に気になるのはマシュウ。おきれいなアンリを徹底的に汚してやりたいと思いつつアンリと親しげに接触するところとかはたまりません。こういうゆがんだキャラは好きです。

アンリたちが暮らす当時の社会や雰囲気も、とてもよく書かれていると思います。
といってもゲイパーティーとかゲイバーとかドラッグとか、結構濃い内容の話が出てくるので、くらくらしてしまいますが。

とってもおもしろかったのですが、やっぱりセルジュたちについてもっと知りたかったかなあというのはあってちょっと残念。
でも漫画と違って小説というのは別の楽しみ方があるもので、そういう意味では充分に魅力があって、楽しめた作品でした。

でも一つ言えば、ジュールとロスマリネが好きなわたしには、彼らの名前が出てこないのはやっぱり残念です。出てこないかなー。

相変わらずフランが物分かり良すぎてどうよ、って気もしますが、物分かり悪くても話が進まないのでこれはこれで良いんでしょうか。フラン、好きですけどね。パットを連想させて。

次で最後の一冊なので、続きも読んでいきたいと思います。

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神の子羊〈1〉
  • 発売元: 光風社出版
  • 発売日: 1992/02

のりす・はーぜ 著 竹宮恵子 イラスト
お勧め度★★★★☆(風木ファンには是非読んでほしいシリーズです)

「ジルベール……コクトーかしら」
「そう、ジルベール。どうやらこの名がいろいろな謎を解くキーワードらしいんだ」
「誰なのかしら。セルジュの息子?」

名作長編少女漫画「風と木の歌」の続編を描いた小説。ノヴェライズとかではなく、独立した続編です。
舞台は1960年代フランス。亡き作曲家セルジュ・パドゥールに興味をもった音楽院生の少女フランが、セルジュの子孫アンリ・パドゥールとともにセルジュの生涯をおい求めるという話です。

個人的な印象としては、非常に風木らしい小説だな、という印象を受けました。フランとアンリはセルジュの学友だったカール・マイセの弟の子孫である画家ヴィクトールの協力を得ることになりますが、そのヴィクトールとアンリが恋人関係になるあたりも、風木を想像させる雰囲気。

フランは非常に物分かりのいい快活な少女で、アンリとヴィクトールの関係を、「その関係のおかげでアンリがいい方向に行っているようだから否定しない」みたいなことをいうのですが、これはまるで少年愛ものの少女漫画を読む少女たちの視線だよな。だからこそフランは女の子から見たら可愛い女の子で、活き活きとしているのかもしれませんが。

セルジュやジルベールに何があったのか、まだいまいち明るみに出きっていませんが、マイセ家とピケ家は相変わらずでよかった。
なんだか読んでいて、昔仲良くしていたけど音信のなくなった級友たちのその後を、だいぶ時間がたってから聞いたような不思議な気分です。

しかしパットと言いフランと言い、同性愛関係に理解を示しすぎというのがさすが少女漫画なのか。
なんだかこういった少年愛ものの少女漫画における少女の位置というものをしみじみと考えてしまいました。

しかしアンリもヴィクトールもフランも、好きですけどね。アンリはセルジュの子孫だけど、ブロンドの髪だからか、ちょっとジルベールを想像する。

竹宮さんの挿絵や表紙などのイラストも素敵です。やっぱり竹宮恵子さんの世界は好きだなあと思える一冊でした。

意外とすぐ読めるところもポイント高いですね。続きも楽しみです。

風木ファンには是非読んでみてもらいたい一冊でした。

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