のりす・はーぜ 著 竹宮恵子 イラスト
お勧め度★★★★☆(風木の続編としてみて、一つの小説としてきちんと楽しめる一冊です)
「そこでジルベールに会わせてあげる」
「え?」
アンリが怪訝そうにマシュウを見た。
「今、なんて言ったの?」
「風と木の歌」の続編の小説、「神の子羊」の2冊目。
この巻は、セルジュやその他の人のその後の消息が気になる人には物足りないかもしれません。
主にずっと、アンリとかフランのお話です。
突然、パドゥール家の子爵位を継ぐことになったアンリ。今回はその華やかでどろどろした上流階級の話とかがほとんどです。
でも、丁寧に書かれた小説ではあると思うので、読んでいて充分に楽しめます。
新キャラもいろいろ登場して、続きも楽しみ。
特に気になるのはマシュウ。おきれいなアンリを徹底的に汚してやりたいと思いつつアンリと親しげに接触するところとかはたまりません。こういうゆがんだキャラは好きです。
アンリたちが暮らす当時の社会や雰囲気も、とてもよく書かれていると思います。
といってもゲイパーティーとかゲイバーとかドラッグとか、結構濃い内容の話が出てくるので、くらくらしてしまいますが。
とってもおもしろかったのですが、やっぱりセルジュたちについてもっと知りたかったかなあというのはあってちょっと残念。
でも漫画と違って小説というのは別の楽しみ方があるもので、そういう意味では充分に魅力があって、楽しめた作品でした。
でも一つ言えば、ジュールとロスマリネが好きなわたしには、彼らの名前が出てこないのはやっぱり残念です。出てこないかなー。
相変わらずフランが物分かり良すぎてどうよ、って気もしますが、物分かり悪くても話が進まないのでこれはこれで良いんでしょうか。フラン、好きですけどね。パットを連想させて。
次で最後の一冊なので、続きも読んでいきたいと思います。
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