(2014年読書感想3冊目)
原題
Paranormalcyキアステン・ホワイト 著 中村浩美 訳 楠本弘樹 表紙絵
おすすめ度★★★★☆ (読み始めると一気読み。続きも読みたい!)
「違う。エヴィをここから出したいんだ。こんな生活をしてちゃだめだ。きみにはもっといろんなものが与えられていい。ロッカーとか」(p214)Twitterのおすすめユーザーに一時期やたらと表示されていたキアステン・ホワイトの本が翻訳されると聞いたので、買って読んでみました。
Twitterでの発言も個人的に好感度高かったし、親日家みたいだし。パラノーマルものは大好きだし。
その割に読むのが時間かかってきました。放置期間長すぎたな……。
でも、読んだらほぼ一気読みで、とても面白かったです。ロマンス・ファンタジーってやっぱりいいな。
IPAC【国際パラノーマル抑止機関】で働く16歳の少女エヴィは、パラノーマルの本当の姿が見えるという特殊能力の持ち主だ。しかし、学園ドラマが好きで、自身も学校に通う普通の生活がしたいと願う普通の女の子でもある。
ある日、IPACのセンターに、謎のパラノーマルの少年、レンドが侵入する。
頃合いを同じくして、パラノーマルが次々と殺される事件が発生し……??
物語は約460ページとちょっと長いですが、おもしろくて一気に読めました。ちょっと毒を含むピリリと辛いエヴィの視点での語り口はおもしろいし、その中にも普通の少女らしさには共感もできます。
ロマンス要素は、手をつないだのキスしたので一喜一憂する感じで薄味ですが、それがまたかわいくて、微笑ましいです。
ヒーロー役のレンドはすごくいいやつだけど、ちょっと頼りないかな。私はエヴィの同僚で、狂言回し的な役を担うフェアリーのレスがすごく好き! もともと妖精好きなのですが、レスはかなり妖精妖精してると思います。向こうの人が書くフェアリーってなんでこう胡散臭いというか、頭がおかしいというか、とにかくなんて素敵なんだろう。
結局レスはシーリーのフェアリーで、エヴィの出生にも一役買ってるってことでOKなのかな?
このシリーズ、三部作で向こうでドラマだか映画だかの企画が進行中。
どうやらこの後エヴィが学校に通ったり、妖精の宮廷の女王と対峙したりする展開が待ってるようで、すごく続き読みたいのですが、続刊が出ないので、もう翻訳打ち切りなのかな……。すごく残念です。
パラノーマル(人外生物)をこんなにも活き活きと描いている小説は久しぶりでした。
キャラクターも面白く(何よりレスが好き!)続刊を熱望したいシリーズであります。
色々な面白いパラノーマルが出てくるので、パラノーマルものが好きな方にはおすすめの一冊です。
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