(2013年読書感想71冊目)
原題 Vampirates: Immortal War
ジャスティン・ソンパー 著 海後礼子 訳 三浦均 絵
おすすめ度★★★★☆(やっぱりこのシリーズ大好きです。おもしろい。)
「わたしたち、みんながこの戦争の犠牲者よ。それぞれ、受けた傷はちがっても。目に見えない傷が、いちばんの痛手ということも多いわ」(p323)吸血鬼×海賊物の大好きな児童書シリーズ、「ヴァンパイレーツ」の13巻目。このシリーズ、読者がどれだけいるかは不明なのですが、ここまで翻訳がされてくれてすごく嬉しい! ありがとう岩崎書店さん!
ある日グレースは、ダンピールの書という本の存在を偶然知ってしまう。その本には、シドリオがもたらしたこの戦争によって、双子のどちらかが死ななければならない、と予言されていて……??
このシリーズの魅力は、不死であり、本来変化とは無縁のヴァンパイアたちの状況が、目まぐるしいまでに変わり、成長していくことでしょう。敵であるシドリオ側のクルーたちも強いきずなで結ばれ、成長し変化しています。もう、シドリオたちのほうが魅力的なくらいです。
変化といえば、この巻で一番変わったのはムーンシャインですね! あまりのいい方向への変わりっぷりに、コナーと一緒にびっくりしてしまいました。ムーンシャインもいっていた通り、イイ人が多い中での同盟軍側での、スパイスになってほしいものです。
そして、敵であるジョニーを秘密に助けるグレース。この選択がグレースにとって悲惨な結果を生むような気がしてなりません。でも、ジョニーが滅びるのかとひやひやしていたので、この展開は、ちょっと嬉しかったです。
そして、ついに始まったローラの出産。はたして生まれてくる双子が、どんな鍵を握ることになるのか、こんなところで終わらせられたら、続きも読むしかない! という感じです。
ジャコビーも無傷ではないけど戻ってきたし、これからさらに複雑な人間関係が展開されそうで楽しみです。
それにしても私はステュークリーが好きだな。
本当、これからどうなっていくんだろう。続きもぜひ読みたいです。楽しみでなりません。
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