(2013年感想48冊目)
原題 The Spook's Apprentice
ジョゼフ・ディレイニー 著 金原瑞人 田中亜希子訳 佐竹美保 装画
おすすめ度★★★★☆(4・5くらい。ちょっと怖くて面白い! それに読みやすかったです。)
ひどい仕事だ。きびしいのは別にしても、これまで魔使いに言われたことからして、この仕事は危険で恐ろしい。(p110)
「決して日が暮れてから読まないこと」
出版社のこの本の紹介で書かれていた文句です。
以下BOOKデータスペースからあらすじを載せておきます。
ぼくはトム、七番目の息子である父さんの七番目の息子だ。手に職をつけてひとりだちするために、ぼくが弟子入りすることになったのは魔使い。恐ろしいボガートや魔女から人々を守る危険で孤独な仕事だ。母さんは、ぼくには特別な能力があるのだから、立派な魔使いになれるって言うけど、なんだか自信がない。ぼくが魔使いに弟子入りするための最初の試験は、さびれた炭鉱町ホーショーにある幽霊屋敷でひと晩過ごすこと。ひとりっきりで残されて、変に目がさえて眠れずにいると、地下室で物音がした。だれもいないはずの地下室で、だれかが地面を掘っている…こわがりの少年トムは、無事に魔使いになることができるのか?どきどき恐くて面白い。“魔使いシリーズ”第一弾。
最初から自ら進んで魔使いになる道を選んだわけではなく、仕事のためという案外消極的な理由から魔使いに弟子入りしたトム。
ある日、魔女の親戚の女の子、アリスと約束をしてしまいます。
その約束が、とんでもない事件を引き起こして……??
2014年1月に映画公開(予定)ということで、これを機に前々から興味のあったシリーズを読書しました。
確かに、ちょっと怖くて面白い、そんな話でした。何より、それに加えて非常に読みやすいので、ページをめくる手が止まりません。
ちょっと臆病だけど、真の勇気を持つトム。トムを教え導く師匠のグレゴリー。善と悪の境目にいる少女アリス。出てくる登場人物が皆魅力的で、読んでいてドキドキします。キャラクター造形がうまいです。
私が特に好きなのはアリス。善でありながら悪にもなり得るというその存在のゆらぎが、これからの物語はどうなるんだろう……、と想像させてたまりません。これは続きも読むしかない!
人々に忌み嫌われながら、人々の求めに応じて人々を邪悪な存在から守る魔使い。その定めを知った時のトムの悲哀が、なんとも印象的でした。
トムは立派な魔使いになれるのか? これから登場人物はどうなっていくのか?
一冊読んだら、続きが読みたくなること間違いなしの危険なシリーズです。
お勧め。面白かったです。
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