(2013年感想35冊目)
原題
Vampirates: Empire of Nightジャスティン・ソンパー 著 海後礼子 訳 三浦均 絵
おすすめ度★★★★☆(4・5くらい。ボリューム満点。面白かったです!)
「(前略)でもね、グレース、わからない? あなた、他人の物語に夢中になりすぎて、大切なことを見落としているわ。いちばんおもしろいのは、あなたの渡りの物語じゃないの?」 (p175)ジャスティン・ソンパーのヴァンパイレーツシリーズの感想です。
前巻から一年半くらい続きがでないと思ったら、念願の続きが出ていました! もう、本当嬉しい!
本自体も、今までよりずっと分厚いし、来月にはもっと分厚い新刊が出るようなので、本当に楽しみです。
岩崎書店さん、続きを出してくださってありがとうございます!
父親が邪悪なヴァンパイア、シドリオで、自分たちがダンピールだと知ったコナーとグレース。シドリオとその妻、レディ・ローラは、二人を自分たちの船に招待するが……。
といったようなお話です。
いやー、待った甲斐のあるおもしろさでした! 特にプロローグのドキドキ感が半端ないです! 一体コナーとグレースに何が起こってしまったのか、プロローグはこの(原本で言う5冊目の)ハイライトなのでしょうが、この本ではそこまでたどり着かないので、じれったいったらないです。でも、今まで以上に分厚い本に、非常に満足しています。
登場人物も、彼らを取り巻く状況も、めまぐるしいほどに変わっていきます。変化とは縁遠いはずの不死の生き物であるヴァンパイアが、こんなにめまぐるしく変わっていくのが面白いです。
それにしても、ローカンはなんとも素晴らしいジェントルマンであって、わたしはやっぱり彼が好きです。ローカンのジェントルマンっぷりはまさしく女の子の理想じゃないかなー? これを見てると、ジャスティン・ソンパーは実は女性なのでは!? と思ってしまうくらいです。いや、間違いなく男性なのですが。
シドリオもレディ・ローラも、巻を増すごとに人物が深まって、魅力的になっていっていますね。
特にシドリオは本当に魅力的です。格好いい!
しかしこの巻はプロローグにすべてを持ってかれて、気が気じゃなかったです。
しかし、人魚のお嬢さんまで出てきて、なんというか、ファンタジーだなあという感じ。
読みやすくて、面白いです。お勧めのシリーズ。
[1回]
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