(2013年感想34冊目)
原題
Earwig and The Witchダイアナ・ウィン・ジョーンズ 著 田中薫子 訳 佐竹美保 絵
おすすめ度★★☆☆☆(2・5くらい。あんまり好きなタイプのお話じゃなかったです。)
「なんとかして、手に入れてみせる。手がたりないって、しつこいくらい言うんだもん。ぜったい、よぶんにつけてやるの!」 (p83)「ファンタジーの女王」と呼ばれ、日本でもジブリ映画、「ハウルと動く城」の原作者としても知られるダイアナ・ウィン・ジョーンズの遺作として、日本でも翻訳された作品が、この「アーヤと魔女」です。
私はもともとダイアナの作品には、なぜだかわからない苦手意識みたいなものがあったのですが、食わず嫌いは良くないということで、この作品を読みました。佐竹美保さんの絵は好きなのですよね。
孤児院で、それでも快適に暮らしていたアーヤ。しかしあるとき、意地悪な魔女に引き取られ、ひどくこき使われてしまう。
アーヤはそんな魔女にいっぱい食わせようと、魔法で仕返しを考えますが……。
といったようなお話です。
うーん、直感的な苦手意識はあたるものなのか、やっぱりこの本も、いまいち面白さがわからなかったです。
まず、主人公のアーヤの性格が、なんとも偉そうで、あまり好きになれませんでした。
そのアーヤが改心するわけでも成長するわけでもなく、偉ぶったまま、むしろそれを助長させるような終わり方をしているのも、個人的には好きじゃなかったです。ファンタジーというと「成長」が大きなテーマの一つだと思っているので残念。このブラックユーモアがダイアナらしさなのでしょうか……。
まあ、アーヤも痛快といえば痛快なのですが、どうにも好きになれなかったな。
佐竹さんのイラストはふんだんに入っていて、贅沢なくらいでした。低年齢向きの絵本って感じかな。
ダイアナは世界で一番佐竹さんの挿画が好きだと言っていたそうなので、この本を読んでいたら喜んだだろうなあ。
アーヤの出生の秘密や、カスタードが振り向かない理由なんかが描かれないのも、物足りなさを感じました。
全体的に端折っていてもったいない。続きものだったりしたんだろうか……。
私はあまり好きなお話じゃなかったけど、小さい女の子なんかは好きなお話だと思います。読み聞かせとか、喜ばれるかも、なんて思いました。
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