(2013年感想22冊目)
ブラム・ストーカー 原作 リュック・ルフォール 再話 宮下志朗 船橋加奈子 訳 ブリュチ 絵
おすすめ度★★★★☆(期待しすぎたかなあ。雰囲気はバッチリで、大好きなのですが、もう一歩という感じ?)
「作り話かのうーー人はみな、幽霊とな、実在する吸血鬼とをいっしょくたにしているんじゃよーー夜のあいだにさまよって、人の首すじに吸いついて腹を満たすしかない、あわれな存在とな」
(p20)ブラム=ストーカーの「ドラキュラ」といえば、知らぬ人のいないホラー小説でないかと思う。
かく言私も吸血鬼に魅せられ、様々な関連書籍などを読みあさったものです。吸血鬼好きといってもいいでしょう。
しかし、そういえば恥ずかしいことながら、「ドラキュラ」本家は読んだことがなかったのです。そんな中ふと目にしたのが、この絵本の存在であります。
まず、表紙の雰囲気がいいですね。何とも言えないゴシックな感じを受けます。この表紙に惹かれて、本書を読んだといっても過言ではありません。
サイズは結構大きい本で、中にも割と文字がびっちりしています。大人向きの絵本と言っていいかもしれません。
訳文も硬めだし、中身もなんというかダイジェストな印象を受けました。
しかし、名作であるドラキュラを絵本で読める、それだけでこの本の価値は十分すぎるほどだと思います。
暗くなってから読むと雰囲気倍増していいですね。
作中に終始漂う薄暗さが、挿絵と相まって、まるで暗い大きな屋敷でこの本を読んでいるかのような気分させられます。
お話としても、まさしくホラーで情緒たっぷり。
ただ、表紙に期待しすぎてしまったのか、挿絵にはあまりぴんと来なかったです。挿絵も怖いのですが、あんまり怖くないというか……。微妙。
ただ、ホラーものとして、雰囲気は本当にバッチリの一冊となっています。
ドラキュラ好きの全ての方、あるいはドラキュラ入門編として、全ての人にもっとおすすめしたい一冊ですね。もっといろいろな人に読んで欲しい1冊となっています。ちょっとお高いので、まずは図書館などで見かけたらぜひ手にとって読んでみてくださいね。
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