(2013年感想14冊目)
原題 A Song of Ice and Fire1 A Game of Thrones
ジョージ・R・R・マーティン 著 岡部宏之 訳 菅原健 表紙絵
おすすめ度★★★★☆(スターク家はバラバラに…。終幕を感じさせる1冊です。)
「人生は歌ではありませんよ、かわいいお嬢さん。あなたもそれを知って、悲しい思いをすることでしょう」(p31)「七王国の玉座」4冊目。
国に対する大罪を暴いたエダード。しかし、その事実が、彼を破滅へと導きます。スターク家とラニスター家は対立し、国は血を流そうとしています。一方、デーナリスは……。
この一冊で、物語は大きく動き出します。この巻のネッドは高潔というよりむしろ、不器用な人といった印象。ネッドの行動は全て裏目にでて本当に可愛そうです。
それにしてもこの巻で、スターク家はバラバラになってしまいます。いつか一家がまた一緒にいるところを見たいですが、それはかなわないことなのだろうなあと思ってしまいます。アリアの行方とか、気になることが多すぎて、読んでいて本当にハラハラします。まあ、つまり面白いということですが。
それにしても、視点人物ではないロブが、ここ最近株を上げてきていますね。次の巻で視点人物になるのでしょうか。登場人物が背負うものが重すぎて、読んでいてくらくらします。
まあしかし、容赦のないある意味公正な展開が魅力のこのシリーズですが、ヴァイサリスはこの巻で死ぬのですね。嫌な奴ですが、嫌いではありませんでした。私はラニスター家も好きです。不道徳だけど、人間くさくてそこが魅力的なのですよね。
ジョンのいる北の壁にも不穏な気配がするし、ラストの1冊でどうなるのかが本当に楽しみです。(そうしてちょっと怖くもありますが……)
表紙はケイトリンでしょうか。神々の森を背景にした表紙が神秘的です。
しかし、サンサとアリアといい、ケイトリンとリサといい、姉妹があまり仲良くないのが、妙にリアルだよなあと思ってしまいます。そんな人間関係も魅力的なところかなと思います。
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