(2013年感想8冊目)
石田リンネ 著 起家一子 イラスト
おすすめ度★★★★☆(4・5位。この3冊の中で一番面白いかな。)
「(前略)試すなら試せばいい。史上最高点で、わたくしが最も王に相応しいと言わせてやるわ」(p37)「おこぼれ姫と円卓の騎士」第3巻。
女王になることが決まってからの、レティの初の外交は、従妹と他国の王子との結婚式に、ソルヴェール国代表として赴くというもの。しかし、結婚式目前に花嫁が駆け落ちしてしまい!? レティは自身の二番目の騎士と心に決めていたクレイグと共に、この窮地を乗り切ろうと頑張ります。
といったようなお話。
面白かった! この本は作者様のデビューシリーズですが、巻を重ねるごとに成長して、面白く読みやすくなっています。今までの3冊ではこの話が一番面白いように思いました。たとえ贔屓キャラのグイード殿下が空気でも。
この、出る必要がないキャラは出さないというのも、いっそ清々しいですね。今回はほぼ新キャラがレティの脇を固めてましたが、その新キャラが十分に魅力的なので、楽しく読めました。
それにしても、新キャラのクレイグさんが格好良かった! 渋いおじさま、好きです。レティとクレイグの様子は、まさしく愛人王の図式そのもので笑ってしまいます。
また、この巻は失恋王ルートガーが株を上げましたね。素敵。今回の新キャラの、ノーザルツ公も素敵でした。
今まで世界観の狭さがちょっと気になっていましたが、外交によって一気に世界が広がりましたね。
レティの夢も、デュークの夢も、クレイグの夢もお兄様方の夢も、とっても良かった。レティは相変わらず格好いい中に、ほんの少し見せる隙のようなものが愛おしいです。デュークとの信頼関係も良かった。
こんなふうに、どんどん魅力を増していく「おこぼれ姫」の世界が、今後も楽しみです。
ただ、もうちょい女の子が出てきてもいいような気がします。レティが十分魅力的なので、まあいいのですけどね。そのあたりは、今後に期待かな。
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