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紅茶好きの管理人が読んだ読書の記録のためのブログ。ネタバレありですのでご注意ください。
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冬物語 (1982年) (ハヤカワ文庫―FT)
  • 発売元: 早川書房
  • 発売日: 1982/08/31



(2013年感想7冊目)


原題 The Winter Players
Companions on the Road

タニス・リー 著 室住信子 森下弓子 訳 坂口尚 表紙絵
おすすめ度★★★★☆(特に冬物語が絶品です。)


「いつかあんたなりにわかるときがくるだろう。わたしたちは不思議なゲームの競技者(プレイヤー)なんだ。あんたと、そしてこのわたしは。もうひとり第三の人物(プレイヤー)もいるんだが。そいつはまだそのことを知らない」(p61)


タニス・リーの著作の中でも、積んでいたものを読書です。冬物語という題名が、今の季節にぴったりですね。
タニス・リーの初期の中編集です。「冬物語」とアヴィリスの妖杯」の二編を収録しています。
「冬物語」は、巫女オアイーヴが、奪われた聖遺物を取り戻すため旅に出る物語。そこで意外な真実を知ることになります。
「アヴィリスの妖杯」は、盗んだ盃を、「死」という追っ手から逃れ捨てに行く物語です。

この対極でありながらどこか似ている2篇の中編構成が素晴らしいです。リーにしては、筋書きも筆致も地味な方ですが、なんとも心に染み入るものがあります。特に「冬物語」のラストの展開は秀逸です。この話、好きだなー。
冬物語は、灰色の世界の中に、グレイ(シルディン)とオアイーヴの周囲にだけ色が付いたような情景が素敵。「アヴィリスの妖杯」は、3人の道連れが一人また一人と謎の死を遂げていくお話なので、少し恐ろしいですが、その恐ろしささえも、奔放なイマジネーションの下に描かれ、圧倒されます。

でも、断然わたしは「冬物語」が好きです。なんとも静謐で、ロマンチックで、内に熱いものがあります。
解説にもあったとおり、読みながら「ゲド戦記」や「指輪物語」を思い浮かべていました。しかし、地味な筋書きの中にもリーらしさがあるのはさすがという他ない。やっぱりリーの初期作品にはハズレがありませんね。
坂口さんのこの表紙も、読み終わったあとに見返すと、なかなか味があっていいものです。
また、冬になったら読み返したいな。とっても素敵なファンタジー。ぜひ読んでみてください。

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