(2013年感想2冊目)
石田リンネ 著 起家一子 イラスト
おすすめ度★★★★☆(前の巻より巧くなってて面白いかな。)
「でもそれの何が悪いの? わたくし達は神ではなく人間。泣いて悩んで悲しむことができる。……きっと、大事なのはその後」(p238)「おこぼれ姫と円卓の騎士」の二巻目。
レティに呪いがかけられた?浮かび上がる犯人像は、えっ、グイードお兄様??
といったようなあらすじ。
なんというかこの巻はいいグイード殿下巻であったし、いい兄妹愛巻でもあった。それだけでグイード殿下好きで、兄妹もの好きな私には満足でした。
それにしてもグイードには、そんな秘密があったのですね。むしろこれってレティに対するフラグじゃないかと思うのですが、そのフラグを見事におって、兄妹道まっしぐらなこの兄妹はいいなあ。やっぱり、今時ちょっと硬派な少女小説というか……。
それにしても、この作者さんの成長がめざましくて嬉しいです。話のつなげ方も、そこに持っていくか! という驚きとかがあるし。デビュー作で気になっていた点も、だいぶ改善されているように思いました。各登場人物も掘り下げられて、キャラクターにも愛着が湧き始めます。
今回は、いうなればグイード殿下の攻略が終わった巻かな? 1巻に一人づつ攻略していくとして、やっぱり最大の難関はフリートヘルム殿下かなあ。次兄は意外とあっさり弱みが握れましたが、長男は手ごわそうです。
また、レティの頭の中では、もう騎士を落としていくプランがある程度決まっているようなので、そちらも楽しみ。愛人王になり、欲しいものすべてを手に入れた最強の女レティの姿を、見届けたいものです。
それにしてもこの巻も、少女小説のお約束、「本当は思い合ってるけど立場上それを表に出せない」が踏襲されてて、大変読んでて楽しかったです。天邪鬼な人たちばっかりなんだから。
今後の展開も楽しみなシリーズであります。面白かった。
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