(2013年感想1冊目)
原題 A Song of Ice and Fire1 A Game of Thrones
ジョージ・R・R・マーティン 著 岡部宏之 訳 菅原健 表紙絵
おすすめ度★★★★☆(物語も中盤。いろいろ核心に近づきます。)
「(中略)あんたがわたしをどう思うにせよ、レディ・スターク、これだけはいっておくーーわたしが、身内の負けに賭けることは絶対にない」(p110)「七王国の玉座」の五分冊のうちの三冊目。物語も中盤に差し掛かり、様々な謎や陰謀の核心に迫っていきます。
小鬼(インプ)こと、ラニスター家のティリオンを捕えたケイトリン。妹リサの治めるヴェイルのアリン家に向かいます。
一方、ロバート王は様々な陰謀が渦巻く中で、呑気にも武術大会を開催します。
なんというか、エダートが本当に苦労人だった。ロバートも悪い奴じゃないんだろうけど、享楽的すぎるというか……。ネッドもネッドで、この時代に王の手となって動くのには、ちょっと高潔すぎる人物という感じで、先が心配です。まあ、ネッドがどうなるかはネタバレで知っているので、なんというか、今から彼の上に立ち込める暗雲がただただ悲しいのであります。
ケイトリンとリサの姉妹はなかなかにはた迷惑。というか、この物語自体が過酷で、登場人物それぞれに残酷な運命を強いているように思えます。そこがたまらなく面白いのですが。そこまでやるか、マーティン! と何度思ったことか。
しかしこの巻はいいティリオン巻でした。わたしは、多分少数派でしょうがラニスター家びいきなので、ティリオンの活躍がとても嬉しいです。視点人物だからか、悪役サイドのはずなのにあまりそんな感じがしないところも魅力的。スターク家が掲げる正義も、正しいものとは言い切れないのかもしれないですね。ラニスターは借りを返すとか、格好いい。
それにしても、デーナリスもなかなかに気苦労が耐えないし、本当にこれから先どうなるのか気になる人々ばかりで、早く次を読みたい気分にさせられます。次の巻あたりから、終盤に向けて大きく物語が動き出す模様。今月にはドラマが始まるし、この小説の旋風が日本でも吹いてくれるように願っています。
具体的には、カードゲームが日本語化されたりすると嬉しいのですが。
何はともあれ、今後もとっても楽しみな一冊です。
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