(2012年感想103冊目)
原題 Iron Daughter
ジュリー・カガワ 著 宮崎真紀 訳 彩 表紙絵
おすすめ度★★★★☆(なかなかに切ないお話でした。面白かった。)
「さあね。ネバーネバーを出たとき、きみといたいってことしか頭になかった。そばにいてほしければいつでもそう言って」(p304)ジュリー・カガワさんの、「Iron Fey」シリーズの2作目の邦訳の下巻。
奪われた季節の王笏を奪還するため、ミーガンたちは追放された妖精である、リアノーン・シーの力を借りることに。しかし、そんなミーガンの前に、アッシュが敵として立ちふさがり……。
というようなお話です。
下巻も面白かったです! 本当、さくさくと物語が進んで、ページをめくる手が止まらないです。
アッシュが敵になって登場して、ミーガンたちに襲いかかるのですが、そのあたりとか何ともドキドキしましたし、最後も違う意味でドキドキしました。こんなドキドキ感、いい読書体験ならではが生み出すものですよね。
最後の方は、なんとも切ない話が続き、一応ミーガンとアッシュは一緒に人間界に追放されるのですが、今後の展開が気になります。なんといっても、二人を覆っているのは黒い雲のような気がしてなりません。一体どうなってしまうのか。次が本当に気になる物語です。巻が進むごとに面白くなっていく印象です。
でも、惜しいなあと思うのはところどころ展開が甘いと感じるところですね。ミーガンの父親とか、アイアンホースの行く末とか、すごく大事なことがあっさりと読めてしまうのは、大変惜しいことです。
ともあれ、2冊目のこの話が面白いのも事実。アッシュとパックが共闘して、仲の良さを窺わせるやりとりは素直に嬉しいし、ロマンス要素もいいです。何よりびっくりしたのは、ミーガンの部屋にエスカフローネやNARUTOのポスターが貼ってあったことでしょうか。ミーガン、オタクだったんだな……。
それにしてもこのお話では、パックが前作に比べて活躍し、株をあげたのが嬉しいです。
とにかく続きが気になる! 直ぐに読めて面白い。アメリカのティーンに支持されるのもわかる、そんなお話でした。おすすめ。
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