(2012年感想102冊目)
原題
Iron Daughterジュリー・カガワ 著 宮崎真紀 訳 彩 表紙絵
おすすめ度★★★★☆(波乱の展開。前巻よりも面白い。)
パックはわたしのことが好きなんだ。わたしの一部がどきどきしながらつぶやく。そう、彼はわたしのことが好き。本当はわかってた。ずっと前から。(p210)ジュリー・カガワさんの、「Iron Fey」シリーズの2作目の邦訳の上巻。
アッシュとの約束を守り冬の王国へと趣いたミーガンは、そこで辛い日々を送っていた。そんな中、夏と冬の国双方にとって大切な「季節の王笏」をアイアン族に奪われてしまい…??
というようなお話です。
いやー、この本は面白かったです。予想を裏切る波乱の展開続きで、ドキドキと読み進めることができました。前作では若干薄味だったロマンス要素も濃厚になってきて、違う意味でもドキドキします。いや、なんというかロマンスというより日本の少女漫画的な展開なのですが、そこがたまらなくいいです。
また、一巻で敵だった意外な人物(アイアンホース)が味方になってくれたのも意外でしたし、アッシュの兄、ローワンやセージの進退も意外でした。
でも何より嬉しかったのは、パックの再登場ですね。アッシュとミーガンを含める3角関係に、どう見たってパックの勝ち目はなさそうなのですが、それでもパックが登場すると場が明るくなるように感じます。
冬の王国の描写もなかなか美しい。夏の王国がアルカディアで冬の王国がチール・ナ・ノグなのも、いいなあと思います。
前作から張られていたグリマルキンとの契約の伏線は、あっさり片付きすぎてちょっと物足りなさを感じましたが、今回の巻もいろいろ伏線を張っているようなので、その回収が楽しみです。
それにしても、個人的には一巻よりも面白く感じました。下巻も新たな登場人物の出現に、ますます面白くなりそうなので、期待して読みたいと思います。
本当、ロマンス・ファンタジーとしてとても面白い作品だと思います。気になる方がいたら、ぜひ読んでみてください。
それにしてもミーガン、変わらない部分もあってイライラすることもあれば、成長したなあと思うこともあって、そこも物語の醍醐味かなと思いました。ミーガンの好感度も、前作に比べたらUPしたように思います。
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