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紅茶好きの管理人が読んだ読書の記録のためのブログ。ネタバレありですのでご注意ください。
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幻魔の虜囚 (1983年) (ハヤカワ文庫―FT)
  • 発売元: 早川書房
  • 発売日: 1983/04


(2012年感想99冊目)

原題 Volkhavaar
タニス・リー著 浅羽莢子 訳  
おすすめ度★★★★☆(4・5くらい。タニス・リーらしい物語です。)

「行きます」シャイナは言った。
「夜はじきに終わって?」ウォーナが尋ねた。闇に置かれた子供に一瞬戻って。
「どんな夜も」シャイナは言った。「いずれは明けます」(p268)



大好きな作家、タニス・リーの初期の長編です。原題はそのものずばりのVolkhavaar(ヴォルクハヴァール)
登場人物の名前がそのままタイトルになっているタニス・リーの小説も珍しいかも??
この物語はカーニック(実はヴォルクハヴァール)の旅の一座の看板役者、ダジエルに恋をした奴隷娘シャイナの物語ですが、タイトルになるだけあって、このヴォルクハヴァールが、すごい存在感を放っています。
なんといっても、その生い立ちが丸々一章分を使って描写されるさまは圧巻。そのおかげで、最後の方なんて、ヴォルクハヴァールは悪い奴のはずなのに、なんだか哀れが先立ってしまって、ヴォルクハヴァールに感情移入してしまいます。
そうして、シャイナが想い人を救うというストーリーは、この本の中ではあまり主格をなしていないのです。
この本で語られているのは、愛であり、愛の変容と愛を受け入れることにあるかと思います。しかし、愛と憎しみが一体であるように、作者が語るように、愛とは円であり輪なのです。
物語自体も、ダジエルとシャイナが最後結ばれることなく別々の道を行ったのも印象的。でも、私はこの終わり方も好きだな。シャイナがダジエルを愛さなくなったわけではないのだし。
あと、忘れちゃいけないのが不器量な王女ウォーナの存在。彼女が愛猫と戯れる描写とか、徐々に成長していく様子とか、正しくおとぎ話の典型という形です。
タニス・リーの独特の美文体と、浅羽さんの翻訳も相変わらず素敵です。久しぶりに読むと、タニス・リーと浅羽さんのコンビは、自分の海外FT好きのきっかけの一翼を担っているので、読んでいて読書する楽しみが湧き上がってきました。充実した読書時間でした。
冒頭に、「愛とは輪である。輪には終わりがない」とロシアの諺が引用されていますが、正しくそんな感じの、濃厚で、タニス・リーらしい一冊でした。おすすめ。「平たい地球」シリーズもまた読みたくなってしまいました。

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