(2012年感想90冊目)
原題 The Iron King
ジュリー・カガワ 著 宮崎真紀 訳 彩 表紙絵
おすすめ度★★★★☆(テンポのいいYAファンタジー。サクサク読めます。)
「ちょっと違うな、姫。そう難しく考えることはない。ネバーネバーへの入口は、信じる心や想像力、空想力であふれている場所に現れる。たとえば、子ども部屋のクローゼットや、ベッドの下なんかに」(p112)ジュリー・カガワさんのデビュー作、「Iron Fey」シリーズの第一作目の邦訳。
好みのあらすじだったので、色々なところでやってた献本に応募したのですが、どれも当たらず、思わず購入に踏み切ってしまいました。
一部店舗ではおまけにブックマーカーがついてて、なんだか得した気分に。内容も面白いかどうか不安だったのですが、よかった、面白かった! と一安心の1作でした。
弟が妖精界にさらわれた! 地味で冴えない女の子のミーガンは、親友のロビーと一緒に弟を助けるために妖精界へと旅立った! しかしそこで、自分が人間と妖精王のあいだに生まれた混血の姫だなんてきかされて……?? というお話です。
作者様のルーツは苗字から察せられるように日本にあるようで、日本の漫画が大好きなのだとインタビューで答えていました。なので、キャラクターや展開が漫画的な部分もあり、映像が鮮やかに浮かんで、さくさくと読み進めることが出来ました。様々な色彩にあふれる世界は、読んでいてドキドキと面白かったです。
ロマンスレーベルから出ている割にはロマンス要素は薄味。でも、ロビーより既に断然アッシュ派なわたしは、彼との踊りのシーンが印象に残りました。ロマンス要素は「トワイライト」みたいな感じの雰囲気でした。相手がヴァンパイアか妖精かって話ですね。
でも、正直言うと個人的にはページをめくる手が止まらず、一日で読み切ってしまったほど。ロマンスとかそんなの関係なく、普通のファンタジーとして、面白かったです。さまざまな妖精が出てくるところも、妖精好きとしてはうれしい。現代的な要素と古の妖精たちがどう絡んでいくのか、下巻も楽しみです。
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