(2012年感想89冊目)
原題
poisonクリス・ウッディング 著 渡辺庸子 訳 橋賢亀 挿画
おすすめ度★★★★☆(上下巻でまるで雰囲気が違う。ちょっと変わったファンタジーが読みたい時に)
「すべては物語なのだ」とフリートが答えた。「さっきも言ったようにな。それも、お前さんの考えひとつで内容が変わる物語なのだ」(p77)ウッディングの「ポイズン」下巻。
妖精王に妹をさらわれたポイズンは、妹を返してもらうように妖精界に赴くが……!?
というような話ですが、いやー、これはなんというかすごかった。下巻のあらすじを少しでも書こうものならネタバレになってしまうという……。ここまで上下巻で違う話を読んでる気分になったのは初めてです。
もちろん、それが悪いとかではなく面白いのです。ポイズンは相変わらず頭が切れて勇敢で格好いいし、ブラムはいい男です。ペパーコーンの明るさには救われます。
それにしても、前半以上にキレのある展開は流石です。重要な登場人物が次々と殺されていく展開には、鳥肌が立ちました。
まあ、面白かったのですが、普通のファンタジー小説でもよかったのかも。と思わないでもないです。普通じゃないファンタジー小説を読みたい時などにお勧めかもしれないです。
お気に入りのシーンは妹に関する伏線のシーンが回収されるところですね。妹関連はすごく良い。
終わりも大団円という感じで、物語が収まるところに収まって、読んでいて気持ちのいい作品でした。
場合によっては続編もありそうな終わり方というかだったので、ちょっと番外編(それこそ妹の話とか)を読んでみたいなあと思いました。
とりあえず、なんだか、面白いものを読んだなー、と思える作品。上下巻間をあけず一気に読めば良かったです。おすすめ。
ちなみに下巻の表紙は妖精界の住民たちによって彩れています。この挿画も雰囲気あって、最後まで堪能できた一冊でした。
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