(2012年感想85冊目)
原題
Peter and The Starcatchersデイヴ・バリー リドリー・ピアスン 著 海後礼子 訳 谷口愛 挿絵
おすすめ度★★★☆☆(3・5くらい。ピーターパンの前日譚としてパズルがはまっていきます)
ネバーランド。あるわけもない場所……。
ピーターは、その言葉を見つめ、それから、あたりを見わたした。
(中略)
「なんだ、ネバーランドって、この島のことじゃないか!」(p313)「ピーターと星の守護団の下巻。
船での逃走劇が一転、下巻では謎の島でのお宝争奪戦となっています。
あとがきでも書かれていましたが、テンポのいい文章、短い章立て、気の利いた会話、それらが組み合わさって、読んでいて息もつかせず、なかなかページをめくる手が止まりませんでした。
でも、章立てが短くてあちこち視点が変わるので、読んでいて混乱したのも事実でしたが……。
でも、この本のなによりいいところは、ピーターパンの前日譚として、全てのピースがきちんとはまっていくところですね。
ネバーランド、黒ひげとピーターの出会い、ピーターが空を飛べたり、年を取らなかったり、人魚と仲良しな理由……、読んでいてこの小説に書かれていることが真実なんじゃないかと思ってしまうくらい、この本の中にはファンタジーが詰まっていました。
まあそのぶん、全ての力の源である<流星砂>はいささか便利すぎるかなあ、という気もしてしまいましたが。でも、そのネーミングも含めて、これまた素敵なアイテムです。
最後、モリーとピーターが別れてしまうのも残念。まあ、しょうがないのですが。続編では二人も再会すると書かれていたので、続編にも期待したいです。期待といえば、最後に出てきた妖精ティンクにも期待したいですね。
実は原作はほとんど知らなかったのですが、それでも楽しく読めましたし、とっても面白いシリーズでした。おすすめです。
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