(2012年感想82冊目)
原題
Peter and The Starcatchersデイヴ・バリー リドリー・ピアスン 著 海後礼子 訳 谷口愛 挿絵
おすすめ度★★★★☆(ピーター・パンがいかにして生まれたかみたいな話。なかなか面白い!)
「いいわ。まずは、“わたしたち”がだれかってことね。わたしは、ある人たちの仲間にはいっているの。といっても、人だけじゃないけど。わたしたちの仲間は……」そういいながら、モリーは首にかけた金の鎖に手をやった。「〈星の守護団〉って呼ばれてるわ」(p197)題名に惹かれて手にとった一冊。あと、装丁がとっても綺麗です。
題名に惹かれて手に取りましたが、中身をパラパラめくると、すぐにこれが「ピーター・パン」にちなんだお話だということがわかります。
なんというか、ピーターがいかにしてピーター・パンになったかを書いていくシリーズなのかな? という感じがします。そう思うと、なかなか興味深く読めました。もともと海賊とか、好きなんですよね。
ピーターは、孤児院にいた男の子。しかしある時、ネバーランド号に乗せられ、悪い国の王様に奴隷として売り飛ばされてしまうことに……。しかも船の中で出会った女の子、モリーは、とんでもない秘密を持っていて……。
というようなお話です。
何より、訳文、行間、挿絵と、この本はとても読みやすいので好感です。海後さんの翻訳、好きです。
それなりに分厚い本なのですが、一気に読めてしまいます。こんなことなら下巻も一緒に借りてくればよかった。ハラハラドキドキの展開は、読ませる力もありました。
また、モリーがとっても可愛いです。ファンタジーの女の子は、こうでなくっちゃ。
あと、船員たちもそれぞれ味があって良かったです。
個人的には、この本に出てくるイルカたちがお気に入り。イルカと会話するところが、面白く、またとても幻想的でした。
星の守護団というタイトルが気になって手にとったのですが、最後の方までその存在が明るみに出なかったので、タイトル詐欺か? とヒヤヒヤしたのですが、この星の守護団も、物語にがっちり入り込んできてるので、読んでいて楽しかったです。
とはいえ、ピーター・パンはまだまだ、ただのピーター少年。ここからいかにしてピーター・パンになって行くのか、楽しみに読みたいです。
[1回]
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