(2012年感想72冊目)
香月日輪 著
おすすめ度★★★★☆(妖怪アパートの姉妹作的な物語)
未知の世界への扉が開いた。
子どもには、その扉をいとも簡単に開けてしまう力がある。扉の向こうに足を踏み出す勇気がある。目の前のものを、子どもらしい純粋さで受け入れる心の広さ、器の大きさがあるのだ。
「妖怪アパートの幽雅な日常」シリーズの香月日輪さんの別シリーズ。
陣内龍神(じんないたつみ)は家族の日常になかなか溶け込めない小学校6年生の男の子。そんなある日龍神は父方のおじいちゃんが暮らしていたという塔の中でおじいちゃんの幽霊と出会い!? 龍神とおじいちゃんの生活が始まる……!
といったようなお話。
正直な感想を言うと、これは妖怪アパートとあまり変わり映えのしないお話だな、と感じました、なので、妖怪アパートの好きな人なら、楽しめるはず。それにこの本から手に取った方でも、素直に楽しむことのできる1冊だと感じました。
でもわたしは……正直、もうちょっと別のお話が読みたかったかなあという印象を抱きました。
すごく読みやすいし面白いしおすすめなのですが、新しいお話を読んでるわくわく感があまりないというか……。そういうところは、非常に残念です。
でも、家族というところにスポットのあたっている展開は、なかなかいいなあと感じました。一巻では龍神においてけぼりを食らっていた弟の和人や晶子なんかも、これからどんどん成長の物語がありそうで、今から楽しみです。
続く2巻ではいきなり龍神や信久が高校生になって登場ということで、どんな風に成長しているのか、非常に楽しみです。でも、さらに妖怪アパートとかぶらないか、という点はちょっと心配。
いろいろ思うところはあるのですが、2巻までは読んでみようと思います。 妖怪アパートがお好きな方にはおすすめです。
しかし、題名に反してファンタジーではなく、現代家族物なので、題名が気になっている人はご注意を。
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