(2012年感想71冊目)
原題
DragonLance Chronicles -Dragons of Winter Night マーガレット・ワイス トレイシー・ヒックマン 著
おすすめ度★★★★☆(名シーン目白押しの印象深い一冊)
「さようなら、エルフの姫君」彼は静かに言った。「あなたの光はこの世を照らすでしょう。わたしの光は翳る時です。嘆かないでください、ローラナ。泣かないで」(202p)
ドラゴンランス4冊目。原本二冊目の後半部分に当たります。
ドラゴンランスの1ファンとして、この一冊には格別な思い入れがあります。旅の仲間たちの中から、初めてスタームという死者が出るのです。
「スタームの太陽は砕け散った」この一文ほどに印象的な死を表すフレーズに、他に出会ったことがありません。
と、堅苦しいまえがきは置いておいて、とにかくとても印象的な1冊です。こんなことを描きつつスタームは大好き! ってほどではないのですが、スタームの生き方はわたしたちに様々なことを教えてくれると思います。
レイストリンの奇術団、キティアラとタニスの再会、ホワイトストーン会議、スタームの死、ローラナの成長など、この一冊は本当に見どころたくさんです。まさにこの戦記のハイライトと呼べる1冊でしょうか。
特にドラゴン・オーブを割るシーンが好きです。タッスルはたまにうざいけど本当にいいやつです。ランスの英雄たちは、そんな人たちばかりで、それが人間臭くて、大好きです。
この巻では特に、ローラナの成長が目覚ましいですね。キティアラも本格的に出てきて、タニスを愛する二人の女性の対比が鮮やかです。しかしキティアラもローラナも、いい女だな!
でもわたしは、いつもほんわかと希望を残して終わるドラゴンランスの終わり方が好きです。
旅の中で、それぞれ悩み、成長していく一行。皆の行きつく先がどこにあるのか、何度も読んだ本だからもう知っているんだけど、楽しみでなりません。ドラゴンランスは、すべてが好きというわけではないけれど、大好きな1冊です。
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