(2012年感想63冊目)
原題 Soulless
ゲイル・キャリガー 著 sime 表紙絵
おすすめ度★★★☆☆(ちょっと想像していたのと違かったかもしれません)
「おれに挑戦する つもりか、マコン夫人?」
(中略)
「いつだってそのつもりよ」(p391)
早川文庫FTから刊行されているシリーズ。
刊行当初から気になっていたものを、やっと読むことができました。なにが気になったって、その題名、表紙、雰囲気ですね。これだけで手に取ろうと思った方は、きっと私のほかにもいるのではないでしょうか。本当、パッと見の雰囲気は素晴らしいものがあると思います。
しかしその分、実際読んでみた中身はちょっと想像していたものと違うかも。ファンタジーとかSFっていうより、ロマンス小説ですね。マコン卿との最初からのやり取りに、にやにやが止まらない反面、そういった描写があまりにも多いので、ちょっと辟易してしまいました。
主人公のアレクシア・タラボッティ女史は26歳のオールドミスで、イタリア人の血を引いている。おまけに魂がない。いつもパラソルを持っている。それが、われらがヒロインのアレクシア女史ですが、これも想像していた人物像とは、またちょっと違かったかも。ヴィクトリア朝の女性って難しいですね。
その他、マコン卿やその副官のライオール教授、そうして吸血鬼のアケルダマ卿など、脇を固める男性陣は魅力的です。まあ、その男性陣がこぞってアレクシアに好意を持っているのも、ちょっとハーレクインっぽいかな、と思った理由なのですが。
私が好きなのはアケルダマ卿ですね。ちょっとうざいのですが、なんだかその独特な雰囲気が癖になってしまいました。 ただ、どうしてもちょっと期待していたものと違うのが残念でした。じゃあどんなものを期待してたのかと言われると困るのですが、文体も自分にはあわなかったかなあ。それでも、ユーモアがあって面白いので、一日で読んでしまったのですが。
実際に読んでみての好き嫌いはあると思いますが、興味のある方はまず読んでみてはいかがでしょうか? と思う1冊。私には微妙でしたが、お好きな方はお好きなはずです。
ちなみに、本国では漫画も発売されているとか。アマゾンで購入できるので興味のある方は、そちらと合わせて読んでみることをお勧めします。 漫画のリンクも張っておきますね。
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