(2012年感想62冊目)
藤原祐 著 kaya 8 イラスト
おすすめ度★★★★☆(安定して面白いです)
「あなたは彼女の存在を知っている。そして何より……彼女を侮辱した。僕にとってはそれだけで、あなたを殺す理由に足る」(p83)
煉獄姫の第二弾。
今回は首都に切り裂き魔が出没。そうしてアルトは友と、フォグは「妹」と再会し、「彼女」は首都に恐怖をもたらすのだった! みたいな話。
相変わらずダークな雰囲気が漂い、世界設定、文体ともに、前の巻が好きだった方の期待を裏切らない安心の1冊となっているように思います。
特に今回はさまざまなキャラクターが新しく登場し、今後その人たちがどう物語に絡んでいくのか、物語の発展を予想させる、動きのある1冊だったと思います。フォグの「妹」のレキュリィ、その執事のカルブルック、暗躍するユヴィオールと最後に出てきたイーサ、どのキャラクターも魅力的で、今後の活躍が楽しみです。(ちなみに私が気になるのはユヴィオールとイーサですね。何とも不気味ですが魅力的です)
しかしこの巻はトリエラが……。
正直、トリエラが最後ああなってしまったのは、多少強引のような気がして、もうちょっと説得力のある書き方をしてほしかったなあと思うところです。あと、脇役に魅力的な人が多くて、特にアルトの出番というかが少ないのも残念なところですね。今回の主役はキリエとイパーシでしたね。
まあ、このお話自体の主役はアルトとフォグで、二人がそろっているととても安心するんですけど。この作品に出てくる人造人間たち、コキュートスにちなんでいるなら、あと一人はいるはずですよね。どんな人なのか気になります。
この作品、ダークな世界観なのですが、それでもそれなりにマイルドで読みやすい作品だと思います。私は好きです。興味のある方がいたら、ぜひ読んでほしい、おすすめのシリーズです。
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