- アーサー王の剣
- 発売元: ほるぷ出版
- 価格: ¥ 1,470
- 発売日: 2003/09/15
(2012年感想56冊目)
原題
King Arthur’s Sword
エロール・ル・カイン 作 文 灰島かり 訳
おすすめ度★★★★☆(いろいろな解釈が面白い一冊です)
いくさのときには、アーサー王を守る盾となり、敵の矢がおそってくると、まわれ右をさせて、敵をたおしました。
イメージの魔術師と称される絵本作家、エロール・ル・カインが初めて書いた絵本です。そしてタイトル通り、アーサー王の魔法の剣、エクスカリバーにまつわる物語です。
ル・カインの描く想像力と創造力豊かな絵もとっても素敵だったけれど、この本に描かれるエクスカリバーがとても面白くて魅力的です。トラディショナルな部分を踏まえながらも、エクスカリバーが傘になったり爪楊枝になったり、アーサー王の望むものになってしまう魔法の剣なのが素敵。
ル・カインの絵は、ちょっと好みが分かれるかもしれませんが、私はとても好きです。男の人には男の人の、女の人には女の人の色気みたいなものがきちんと描かれている絵で、不思議な感じです。
ル・カインの青の使い方も好きだな。
物語は、非常にオーソドックスなのですが、アーサー王の望むものになんでも姿を変えるエクスカリバーと、アーサー王を憎むゆえにその剣を奪おうとするアーサー王の異父姉、モルガナ・ル・フェの陰謀なども描かれており、絵本が語る物語としてもしっかりしていていいですね。
小さい子供のみならず大人も、こういう本を読んでアーサー王伝説に触れてくださったら楽しいだろうなあ、と思いました。
個人的にはこの本に出てくる、湖の姫が好きです。
とっても神秘的な感じが、まさしく伝説に出てくる魔法の貴婦人という感じで、ル・カインの描く絵も素敵でした。
これはル・カインの処女作らしいので、ほかの絵本も読んでみたくなりました。
面白い絵本だと思います。気になる方はぜひ読んでみてください。
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