原題
Dealing with Dragons パトリシア・C・リーデ 著 田中亜希子 訳 橋賢亀 絵
お勧め度★★★☆☆(3・5くらい。悪くないんだけど、個人的には今一歩でした)
というわけで、おおまかにいえば、リンダーウォールはとても幸せで居心地のいい国だった。
シモリーンには、それが気に入らなかった。(p9)
お姫さまらしくないお姫さま、シモリーンの活躍を描く、魔法の森シリーズ第一弾。
ふとしたところで目にして、それ以来気になってたまらず、図書館で借りて読むことに。
リンダーウォールのお姫さま、シモリーンは、お姫さまらしくすることにうんざりして、ただハンサムなだけの王子さまと結婚するのを待つだけの日々が嫌で嫌でたまりませんでした。
そこで、ドラゴンの元に自ら出向き、囚わせてもらうようにお願いをして……。
というようなお話。囚われちゃったお姫さま、というより、囚わせちゃったお姫さま、が正しいお話かもしれません。
うーん、好きな題材、雰囲気ではあるのですが、ちょっと期待しすぎちゃったかな。
確かに面白かったし、魅力的ではあるのですが、個人的にすごく面白かった! とか、好き! って処にまで行く作品ではなかったように思います。なんでだろう……。
お姫さまらしくないお姫さま、人間臭いドラゴン、悪役だけどどこか抜けている魔法使いたち、しっかりものの魔女、登場人物たちは非常に魅力的だと思うのですが、そう、終始昔話や童話のパロディになっており、いまいち盛り上がりに欠けるからかもしれません。
でも、そのところどころに入る童話のパロディが面白かったりします。さらりと出てきたアーサー王やジャックと豆の木にはちょっと感動しました。イラストも素敵だし、本当に素敵な本だとは思います。好きな人は好きなんだろうな。
私が好きなのはシモリーンと友だちになる王女さま、アリアノーラと、不幸だけど賢い石の王子でしょうか。
ただ、人間臭いドラゴンも良いけれど、人間臭すぎてドラゴンらしい威厳みたいなものが感じられなかったのがどうしても残念です。
私にはいまいちだったけど、好きな方にはすごく好きな作品だと思います。興味のある方は一読してみてはいかがでしょうか??
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