菅野雪虫 著
お勧め度★★★★☆(いろいろと展開の気になる一冊)
「ソニンはソニンだからさ」ミンが言いました。「天山の巫女だろうが、王子の侍女だろうが、何やってたって、あんたはあんただからさ」
うん、とソニンはうなずきました。
(きっとわたしはどんなことにも耐えられる。何を失ったって、わたしがわたしを失うことさえなければ、こうして新しい朝を何度でも迎えられるんだ)(p230)
菅野雪虫さんの「天山の巫女ソニン」シリーズの3冊目。物語も折り返し地点です。
今回の物語の舞台となる国は巨山(コザン)です。
巨山に赴いたイウォル王子とソニンを待つ運命は……!?
いやー、今回のお話も面白かったです! 一日で一気に読んでしまいました。
何より巨山の世継ぎの王女、イェラがとっても素敵でした。賢く、聡明な娘であるために大人びてしまい、心の奥底では友だちがほしいと願いながらもそうすることができない……。
とにかくキリッとしていて、とても素敵でした。
イェラとソニンが友だちになってくれるといいなあ、なんて思ったり。
今回はイウォル王子の成長も見ることができて良かったです。
ソニンとイウォルは、お互いに欠けているものを補い合い、また許し合う関係なのだなあと思いました。
今回は、そんなイウォル王子の過去が明らかになったり、お母さんの故郷に行ったりと、イウォル王子の背景も明るみに出てきた感じです。最初は子供っぽいと感じることの多かったイウォルも、徐々に大人になっていて、読んでいて成長を感じますね。
クワン王子も出てきて、何やら暗躍している様子……。気になります。
とりあえず三国を舞台にし終えた今後の展開が、どういったものになるのか非常に楽しみです。
このシリーズ、面白いです。図書館で借りてきては母と先を争うように読んでいます。
来月には外伝も出る様子。
題名から察するとイェラが主役でしょうか。これまた楽しみです。こちらも機会があれば読んでみたいと思います。
朱烏の星、というタイトルもとても素敵でした。
お勧め。
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