原題
A Song of Ice and Fire1 A Game of Thrones ジョージ・R・R・マーティン 著 岡部宏之 訳 菅原健 表紙絵
お勧め度★★★★★(すごい吸引力! 読まなきゃ損の面白さでした。)
自分はウィンターフェルの人間だ。悲しみにくれているケイトリンやブランの仲間なのだ。
しかし、人間は必ずしも自分の属する場所にいられるとはかぎらない。エダート・スタークは諦めて、馬をブーツで蹴り、王の後を追った。(p221)
ジョージ・R・R・マーティンの大河ファンタジー「氷と炎の歌」の第一作目。この巻は原本を5分冊したものの1冊目にあたります。ということでこの本はまだまだほんのプロローグ! なのですが、本当に素晴らしい吸引力。もう続きが読みたくて読みたくて仕方ありません。
日本では一部を除き知名度がそんなに高くないようですが、外国ではとても人気で、昨年ドラマになり大好評、今年4月には第2シーズンも動きを見せるようです。インポートですがDVDも出ますねー。かなり真剣に欲しいです。
そのくらい、原作もドラマも、とってもよかったです。
あらすじや世界観を説明するには、この巻だけでは情報が足りず、上手く書くことができないのですが……。
この物語には数多くの登場人物が登場し、それらの登場人物の視点から語られる群像劇となっています。
特に特定の主役がいるわけではないのですが、この本の主役がいるとしたら、ウィンターフェルの領主で名家スターク家の主人エダート(ネッド)かな。お気に入りのキャラクターの視点で読んでみるといいかも。
彼の妻やその妹、あるいは6人の子供たちや子供たちが飼っている狼に至るまで、玉座をめぐる陰謀に巻き込まれ、波乱万丈の人生を送ります。ほんとう、この先どうなるんだろう! まだほんの序盤なのに気になる! このシリーズに関してはネタバレも読みたくないし……。自分の目で読んで確かめたいですね。
そんな沢山の主要登場人物が出てくるので、最初は確かに混乱するのですが、投げ出してしまうにはもったいない! 必ず、お気に入りのキャラが読者を待っていると思います。
この巻での語り手(というか視点)はエダート、その妻のケイトリン、その二男のブラン、二女のアリア、エダートの私生児のジョン、王妃の弟のティリオン、玉座を奪われた古代王朝の最後のプリンセス、デーナリスの7人。
その中でのわたしのお気に入りはジョンとデーナリスかな。ブランも可愛いし、ティリオンも魅力的。もうとにかく全員が活き活きとしています。
特にデーナリスとその兄ヴァイサリスは、個人的にすっかり心をつかまれてしまいました。最初は怖いお兄ちゃんなのかなあと思っていたのですが、妹のことを「それにしても、貧相な胸だなあ」と言った時に、思わずデーナリスと一緒に笑ってしまって以来、どうしてもこの二人が気になってしまいます。
ドラゴンの血を引く、玉座を持たない彼らの運命が数奇なものになることはわかっているのですが、それにしてもどうなるか楽しみです。
とにかく、この本を読まなきゃ読書人生がもったいない! というくらいにはお勧め。
大人向けのファンタジーだと思います。陰謀や愛憎、あるいは近親相姦とかも出てきて、結構つやっぽいシーンや話題も多いし、全体的に重々しいし……。
ちなみにこの文庫版、300ページくらいあるのですが、最後の40ページは資料と解説になっているので、分量的にも優しくなっていると思います。
とにかく、面白さは折り紙つき。是非読んでみて下さい。
ところで表紙はエダートかな。恰好いいな。
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