紅玉いづき 著 村松加奈子 絵
お勧め度★★★☆☆(悪くないけど、いろいろもったいないと感じた作品でした。
生きることは、選ぶことだ。自分は選ぶのだと思った。いくつの罪、いくつの痛みを背負っても。
あたしは帰る。みんなと一緒に。
古城ホテル(マルグリット)に、帰るんだ!!(p157)
紅玉いづきさんのシリーズもの、「ようこそ、古城ホテルへ」の2冊目。
今回の本には、「私をさがさないで」、「これがわたしのたからもの」の二編を収録しています。
前者は魔女、ピィの物語、後者はフェノンの物語です。
うーん、やっぱりいろいろ、もったいないなあと思ってしまうところが多いです。
出版元の角川つばさ文庫は児童向きのレーベルなのですが、全体的な雰囲気やノリが児童書というよりラノベっぽいのが残念というか、惜しいです。なんか中途半端というかどっちつかずな印象。
それなら「ミミズク~」を児童書向けに書きなおしたほうがよっぽどよかったのでは、とか思ってしまいました。
そのせいで話の掘り下げも足りないというか、ちょっと薄いなと感じてしまったのも残念なところでした。
それに、ヘンリーの扱いがちょっとかわいそうだなあと思いました……。
今回の主役の一人が、私があんまり好きじゃないピィだったから楽しめなかったのかもしれませんが。でも、ピィは子供が好きなキャラだろうな。
主役の女の子が四人もいるので、今回みたいな中編集みたいな体裁はよいかもな、と思いました。
でも、読んでいて映像が浮かぶというか、非常に映像向きの作品だなと思いました。休日の朝とかにアニメでやってたら、見るかも……。少女漫画にするとか……。サフィール様とか今回出てきたお客さんとか、男性陣もいかにも少女漫画って感じがするしね。
一部児童書向きではないような人物造型(四人の共通点とか)は気になったりもしましたが、まあそれでもそれなりに楽しく読むことができました。きっと幅広い読者を獲得できるようなお話なんだろうな。
次の巻は予告によるとジゼットが主役だとのこと。ちょっと楽しみです。
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